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大リーグMVPの大谷らしさとは 新井紀子さんらとThink!

日経電子版「Think!」は、各界のエキスパートが注目ニュースにひとこと解説を投稿する機能です。11月12~19日のニュースでは、国立情報学研究所教授の新井紀子さんが「大谷翔平選手の米大リーグMVP受賞」について読み解きました。このほか「COP26閉幕」「トヨタとテスラの差」といったテーマの記事に投稿が寄せられました。(投稿の引用部分はエキスパートの原文のままです)

「大谷翔平、満票で大リーグMVP」をThink!

大谷翔平、満票で大リーグMVP 投打二刀流で歴史的活躍(11月19日)
米大リーグの最優秀選手(MVP)が18日午後(日本時間19日午前)に発表され、エンゼルスの大谷翔平選手(27)がア・リーグMVPに選ばれた。

新井紀子さんの投稿】 「二刀流」について疑問を呈する解説者や識者も少なくなかったと記憶している。常識では「失敗するに違いない」と考えられる試みを成し遂げようとすると、必ずそうした雑音は起こる。そこから身を守ろうとすると、アスリートでも数学者でも起業家でも、大きく丸く膨らんでいた自分の中のイメージがどうしても委縮する。委縮すまいと努力すると、雑音をシャットアウトするか意地になる。そうしたほんの少しの歪みが、実際に失敗を引き寄せてしまうことはよくあることだ。

大谷選手の笑顔からは、そうした歪みを感じない。否定・過大な期待の両方から自由なままで、これからも彼らしさを貫いてほしい。

「COP26閉幕」関連ニュースをThink!

迫る気候危機に動けぬ世界 分断の影、先進国主導に限界(11月16日
13日閉幕した第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)は、迫る気候危機に動けぬ世界の姿を露呈した。米中対立など分断が影を落とし、先進国主導のカーボンゼロの議論は限界が近い。

高村ゆかりさんの投稿】 COP26を「分断」という言葉で特徴づけるとおそらく世界の流れを読み違える。190を超える国・地域の交渉なので当然国の事情や利害から意見の違いはある。COP26を支配した基調は、2℃ではなく1.5℃までに気温上昇を抑えるという目標に各国が決意を持って取り組むこと、そのためにこの10年=2030年までが決定的に重要という諸国の共通の認識であった。これらについて異論がなかった。もちろんそれをどう実現するかの意見の違いを埋め、目標を実現する政策と行動に転換することが課題だ。現地でご一緒していた安藤淳編集委員の「COP26、合意支えた世界の意識 石炭譲歩も流れ変わらず」 https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK134K00T11C21A1000000/ もぜひご一読を

「トヨタとテスラの差」をThink!

トヨタ、車1台の利益でついたテスラとの3倍の差(11月16日)
世界の自動車メーカーが半導体不足に直面した中で、2021年7~9月期決算(国際会計基準)で純利益がこの時期としては過去最高になったトヨタ自動車。ただ出そろった主要自動車メーカーの決算を分析すると、車1台の純利益は米電気自動車(EV)大手のテスラに3倍近い差をつけられた。

深尾三四郎さんの投稿】 上海製モデル3の量産と中古車価格の上昇も利益率アップに貢献。

2019年末に上海ギガファクトリーが稼働を開始し、最量販車種モデル3の中国生産が始まった。中国製モデル3では、電池がパナソニック製からCATL及びLG化学製に変わったことでコスト低減効果が発現。加えて、新工場での順調な生産拡大により量産効果も収益拡大を後押ししている。昨年終盤にモデル3の車載電池の劣化度が低いことがわかり、残価率(=中古車/新車価格)が高まった。電池性能の向上が中古車価格に反映され始めたことが背景にあるが、レンタカーやライドシェア向けフリート(大口顧客向け)販売での値下げ抑制も利益率向上に寄与していると思われる。

「政官関係のあり方」をThink!

財務次官が問う政官のひずみ 黙る霞が関、憂える元上司(11月15日
「財務次官、モノ申す」と題して現状の政策論争を「バラマキ」と断じた矢野康治次官の月刊誌「文芸春秋」の寄稿には、財政のあり方以外にも見過ごせない論点がある。政官関係はどうあるべきかという問題だ。

竹中治堅さんの投稿】 政権がある政策の実施について決めた場合、官僚は執行すべきであり、怠った場合や意図的にサボタージュした場合には、人事で不利な処遇を受けてもやむを得ない。一方、政策決定前の議論の段階では官僚も自由に閣僚などに意見を述べること、さらには公表することも、許されるべきである。違う意見を表明したというだけで政治家側も人事上不利益な扱いをするべきではない。何よりも重要なことは日本は権威主義国ではなく、自由民主主義国で言論の自由が保障されていることである。官僚が政策の実施に抵抗したわけではなく、一部の政治家と異なる意見を公表したからと言って「更迭」などという議論が起きているのであれば、それは残念なことである。

「抗原検査キット、ネット販売解禁せず」をThink!

抗原検査キット、ネット販売解禁せず 医師らの都合優先(11月19日)
政府の経済対策の原案から、新型コロナウイルスの感染を調べる「抗原検査キット」のインターネット販売を解禁するとの記載が削除された。薬剤師による対面での説明を不要とすることに医療界の根強い反対論があった。

詫摩佳代さんの投稿】 コロナ対応の難しさは複数分野の専門家(集団)の意見を踏まえねばならないところにあります。異なる意見が出てくることもありますし、専門家が必ずしも中立公正であるとは限りません。また、選挙で選ばれていない専門家の意見を重用しすぎれば、民主主義の赤字という問題も生じます。感染症を始めとする現代的課題への対処には、専門的知見が不可欠ですが、政治と科学が関わり合う際には以上のような問題が起こりうることを踏まえる必要があります。本件に関しても、最終的には選挙で選ばれた政治家が公共の利益のために必要なことを見定め、実現に向けて尽力すべきではないでしょうか。政治の力量が問われているように感じます。

「勤務時間外の従業員に連絡禁止」をThink!

勤務時間外の電話、罰金最大126万円 ポルトガルが新法(11月16日)
ポルトガル議会は15日までに、企業が就業時間外の従業員に連絡することを原則として禁じる法律を成立させた。違反企業には売上高に応じて613~9690ユーロ(約8万~約126万円)の罰金を科す場合がある。

中空麻奈さんの投稿】 なかなか画期的な法律である。ただ、労働者に有利に見えて、本当にそうかは気になるところ。休日と在宅勤務は違うが、側から見ると線引きがはっきりしない部分がある。通信関連の整備費が会社持ちであれば、プライベートの通信に関しては別途支払いが請求されることも考えられる。行き過ぎたように見える法律でも、うまく適用・運用できるか、がポイントになる。労使双方がそれぞれの自覚と線引きに加え、雇用者の労働に対する正しい評価が出来ているかどうか、が重要だ。それがなければ、労働者を守るための法律もどこかで不自由が生じてしまう危険を孕んでいるのではないか。


Think!
平日のニュースに投稿がつく「Think!」。これまでの投稿のまとめ読みと、エキスパートのみなさんのご紹介は次のページから。

【投稿まとめ読み】
https://r.nikkei.com/topics/topic_expert_EVP00000
【エキスパート一覧】
https://www.nikkei.com/think-all-experts

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