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世界の供給網、なぜ脱中国?

2022年10月18日の日本経済新聞朝刊1面に「『世界の工場』分離の代償」という記事がありました。一体化していた供給網から中国を外す取り組みが進んでいます。なぜ供給網を見直す必要があるのでしょうか。

ここが気になる

ホンダは中国製の部品を極力使わずに乗用車やバイクを造れないか探るプロジェクトを今夏に本格化させました。国内企業だけでなく、米アップルも脱中国に動きます。これまでiPhoneなどほぼ全製品を中国で生産してきましたが、インドでの生産比率が、20年の1%から22年は最大7%にまで高まる見通しです。

供給網から中国を外す取り組みが広がる背景には、台湾有事への備えがあります。仮に台湾海峡で有事があれば、企業は中国で事業を続けるか選択を迫られます。ウクライナ侵攻では、企業のロシア撤退が相次ぎました。バイデン米政権は14カ国で「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」を創設し、有事に重要物資の在庫を融通し合う想定です。

中国を供給網から切り離すことによる代償もあります。輸入総額の中で中国から輸入する比率は20年に日本が26%あり、米国などと比べても大きくなっています。部品など中国から日本への輸入の8割(約1兆4000億円)が2カ月間途絶すると家電や車など多くの製品が造れなくなり、約53兆円分の生産額が消失するとの試算もあります。中国での事業拡大と、有事に備えた供給網見直しの両立が必要になりそうです。

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この記事をまとめた人:横山龍太郎
2016年入社。大阪で自動車関連や医薬品、造船企業の取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。

【私の注目記事】世界選手権の100メートルで7位入賞を果たした陸上男子のサニブラウン・ハキームが、報告会を行いました。高校の部活で100メートルを走っていた立場からすると、日本選手の世界大会入賞は非常に誇らしいです。
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