ITから海外スマホゲームの消費税徴収、なぜ?
2023年1月17日の日本経済新聞朝刊1面に「海外スマホゲームの消費税、IT大手から徴収へ」という記事がありました。スマートフォンアプリで利用する海外ゲームにかかる消費税を、取引の間に入る米アップルやグーグルなどのプラットフォーマーから徴収する検討に入りました。なぜなのでしょうか。

ここが気になる
日本は2015年度の税制改正で、国境を越えて配信されるコンテンツにも消費税を課すことを決定しました。そのため、国外にあるゲーム会社がアップルやグーグルのアプリストアを通じて配信するスマホゲームは、国外のゲーム会社が日本の当局に消費税を納める義務があります。
ただ海外の制作会社は小規模企業や個人事業主が多く、日本に拠点がないことが多いです。日本のユーザーはアプリストアを通じて利用料金と消費税を納めますが、消費税が日本に納められないケースがありました。中国発の人気ゲーム「原神」などは日本法人が扱い納税義務を果たす一方、納税しない企業もあり公平さを欠いていました。
そこで政府はアップルやグーグルなどIT(情報技術)大手が、日本の当局に消費税を納めるよう義務付ける方針です。IT大手から納付してもらう過程で、制作会社の情報を得られればその実態もつかみやすくなり、意図的な税逃れがないかチェックすることもできます。国境を越えた徴税の適正化を進めます。

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この記事をまとめた人:神戸優平
2017年入社。電子版と紙面の編集を担当。サウナーの端くれとして、都内の穴場サウナを開拓する日々です。
2017年入社。電子版と紙面の編集を担当。サウナーの端くれとして、都内の穴場サウナを開拓する日々です。

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