東芝買収にローム参画、これまでの経緯は?

ここが気になる
東芝は経営再建に向け会社を分割する案を持っていましたが、3月の株主総会で否決されました。これを受けて4月、株式非公開化を含めた再編の提案を募集し始めました。非公開化には企業統治や事業の大胆な構造改革を実行しやすいメリットがあり、大株主を中心に求める声が強まっていました。
1次入札への応募は10件あり、2次入札を経て東芝は10月、国内投資ファンドのJIPに優先交渉権を与えました。ロームはこの陣営に参画します。投資額は最大で3000億円規模と、参加企業で最大級となる見通しです。オリックスや中部電力も参画するなど日本勢主体のJIP案には、国の規制にも対応しやすい利点があります。東芝は国が特に重要と位置づける原子力事業を抱えており、買収には国の重点審査が不可欠なためです。
今後は金融機関による融資の確約に注目が集まります。JIP案の買収総額は2.2兆円程度とされ、日本企業十数社で合計1兆円を出資する見通しです。残りは議決権を持たない形での出資や、金融機関からの融資で賄います。融資確約は11月16日時点で得られていないようですが、東芝は金融機関と詰めの手続きを進めています。

2017年入社。機械メーカーの取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。

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