/

公益重視の「第3の会社」って何?

2022年5月17日の日本経済新聞朝刊1面に「公益重視、会社に新形態」という記事がありました。政府は「新しい資本主義」の実現へ社会貢献を目的とする新しい会社形態の設立を検討します。「第3の会社」とは一体どのようなものでしょうか。

ここが気になる

政府が検討する新しい形態の会社は、環境や貧困といった社会課題の解決を事業の目的とするものです。株式会社では社会的意義があっても不採算事業であれば、株主から追及されることがあります。非政府組織(NGO)とも異なり、収益と課題解決の両立を明示することで第3の道をめざします。企業は短期的な利益を求める株主の意見だけに縛られず、中長期的な課題解決に投資できます。

参考とするのはアメリカの40近い州で法整備された「パブリック・ベネフィット・コーポレーション(PBC)」です。株主の利益だけではなく、公益に貢献する事業に通り組む会社形態を意味します。あるアメリカのPBC企業は目先の利益よりも環境を重視すると表明しました。それでも時価総額が一時40億ドルをつけるなど投資家にも評価されました。フランスや英国も同様の制度を持ちます。

背景には短期的な株主利益の過度な追求への反省があります。日本企業の配当は20年間で5.4倍になった一方で、従業員の給与は15%減りました。地球温暖化などの問題を放置すれば、結果的に企業の負担が増えます。人への投資や社会貢献を進めることで、企業が成長し長期的に株主にも還元される好循環が築かれます。

若手編集者が同世代にむけて新聞の読みどころを発信する「朝刊1面を読もう/Morning Briefing」は平日朝に公開します。
この記事をまとめた人:浮島翼
2016年入社。首相官邸や立憲民主党の取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。日清食品が一日に必要な栄養素をバランスよく摂取できる即席麺などの販売を始めます。栄養素を考えての献立に四苦八苦しているので、頼もしい味方になってくれそうです。
新社会人応援コンテンツ

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

朝刊1面を読もう

日本経済新聞が最も大切にしている「朝刊1面」を中心に、経済ニュースをわかりやすくお届けします。

なぜこのニュースが大切なのか、インパクトはどこまで及ぶのか。
学生、若手社会人向けにニュースの背景を読み解くポイントをお伝えします。


動画で解説 日経電子版活用法

経営コンサルタントの小宮一慶氏が電子版活用法を動画で解説。より深くニュースを読み解くヒントが満載です。
>>日経電子版 活用動画

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン

権限不足のため、フォローできません