政府が国内の供給網づくり支援、背景は?
2022年1月17日の日本経済新聞朝刊1面に「重要物資、供給網を支援」という記事がありました。政府は社会・経済活動に不可欠な物品を安定して調達できるよう、国内のサプライチェーン(供給網)づくりを財政支援する仕組みを設けます。背景には何があるのでしょうか。

ここが気になる
中国では、習近平(シー・ジンピン)指導部が2015年にハイテク産業育成政策「中国製造2025」を発表して以降、半導体や通信、自動車といった産業への補助金を増やしています。米国や欧州連合(EU)も、これに対抗する形で21年に半導体や電池など指定した分野で国内生産を後押しする対策に乗り出すことを決めました。
日本も国内の供給網づくりを経済安全保障の目玉に据え、日本企業の国際競争力の向上を図ります。支援対象は、半導体や医薬品の分野で一定期間以上の生産の継続、技術情報の適切な管理、国内での安定的な供給の確約など国の基準を満たした事業者です。事業者は研究開発施設や工場などの投資計画を作成後、国の審査を受けます。
ただ、自国産業の保護が行き過ぎると競争力の弱い企業の退出が滞り、新陳代謝が阻まれる危険性があります。また、世界貿易機関(WTO)は公正な貿易に支障がないよう、政府の産業補助金にルールを設けています。この形骸化が進まないためにも、どこで歯止めをかけるべきなのか。今後の各国の対応に注目が集まりそうです。

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この記事をまとめた人:この記事をまとめた人:亀井亜莉紗
2018年入社。外食企業の取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。北朝鮮の貨物列車が中国に到着しました。医薬品などの緊急物資を積んだのち、北朝鮮に戻る見通しのようです。2020年に「愛の不時着」を見て以来、北朝鮮という言葉を目にするとドラマの中の様々なシーンが思い浮かぶようになりました。
2018年入社。外食企業の取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。北朝鮮の貨物列車が中国に到着しました。医薬品などの緊急物資を積んだのち、北朝鮮に戻る見通しのようです。2020年に「愛の不時着」を見て以来、北朝鮮という言葉を目にするとドラマの中の様々なシーンが思い浮かぶようになりました。

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