サイバー攻撃集団、「身代金」奪う手口は?
2022年5月16日の日本経済新聞朝刊1面に「『身代金』で100億円奪取」という記事がありました。ロシアとつながりが深いサイバー攻撃集団「Conti(コンティ)」は「ランサムウエア」と呼ばれるウイルスを使い、1年半で100億円相当の暗号資産を奪いました。「身代金」をどのように奪っているのでしょうか。

ここが気になる
コンティは「ランサムウエア」で企業などのシステムを攻撃し、回復させることと引き換えに暗号資産の支払いを求めます。仮想通貨ビットコインの645口座を活用して複雑に犯罪収益を移転し、捜査当局などによる追跡を逃れています。最も入金が多かった口座では、一度に10億円弱の入金が約2カ月間で複数回ありました。
一部の幹部メンバーの下、「人事」や「渉外・広報」など必要な機能をまるで会社組織のように分業しています。そのうえで、プログラミングなどのスキルを持つ数百人の実行メンバーが入れ替わり攻撃に参加します。報酬と引き換えにスキルを持つ外部の人材を犯罪に活用する闇ビジネスが確立されています。
コンティの活動はサイバー犯罪の氷山の一角で、21年のランサムウエアの攻撃数は世界で約6億2300万件と前年から2倍超になったとの調査もあります。トヨタ自動車の供給網が攻撃を受けて一時止まるなど被害は急速に広がっていますが、捜査活動は追いついていません。

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この記事をまとめた人:古沢健
2019年入社。食品メーカーの取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。エンゼルスの大谷翔平選手が日本人最速でメジャー通算100本塁打に到達しました。私もメジャーでの活躍をリアルタイムで見ていた松井秀喜さんを大きく上回るペースとのことで、今後も我々の予想を超える活躍を見せてくれることを楽しみにしています。
2019年入社。食品メーカーの取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。エンゼルスの大谷翔平選手が日本人最速でメジャー通算100本塁打に到達しました。私もメジャーでの活躍をリアルタイムで見ていた松井秀喜さんを大きく上回るペースとのことで、今後も我々の予想を超える活躍を見せてくれることを楽しみにしています。

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