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日立製作所、全社員ジョブ型に 山口周さんらとThink!

日経電子版「Think!」は、各界のエキスパートが注目記事にひとこと解説を投稿する機能です。1月7~14日では、著作家でライプニッツ代表の山口周さん、一橋大学教授の楠木建さんが「日立製作所、全社員ジョブ型に」というニュースを読み解きました。このほか「ブタの心臓を人体に移植」「東証プライム市場の実力分析」といったテーマの記事に投稿が寄せられました。(投稿の引用部分はエキスパートの原文のままです)

「日立製作所、全社員ジョブ型に」をThink!

日立製作所、全社員ジョブ型に 社外にも必要スキル公表(1月10日)
日立製作所は7月にも、事前に職務の内容を明確にし、それに沿う人材を起用する「ジョブ型雇用」を本体の全社員に広げる。

【山口周さんの投稿】1990年代、職務主義(=ジョブ型雇用の当時の呼び名)のブームに踊らされて多くの企業が人事コンサル会社に大金を払って制度を導入したものの、結局はまともに運用できずに元に戻しました。経営コンセプトはゾンビのようなもので一旦死んだコンセプトでも痛い目に会った関係者が引退した後にしばしば名を変えて復活するので注意が必要です。なぜ職務主義の導入が多くの悲惨な結果を招いたのか?この問いについての深い考察のないままに他社事例とコンサルに寄りかかってジョブ型を安易に導入すれば組織のパフォーマンスを大きく毀損します。ムード・他社事例・コンサルの弁舌に流されない「自分のアタマで考える底力」が求められる局面です。

【楠木建さんの投稿】「メンバーシップ型」の対概念が「ジョブ型」というけれども、そうでないと思う。仕事の組織である以上、「ジョブ」型であるのは当たり前で、理屈からすればこれ以外の「型」はありえない。ジョブ型はメンバーシップとトレードオフでない。ジョブ型の中でも結果的にメンバーシップは生まれる。ようするに「メンバーシップ型」と言っているのは戦後復興から高度成長期の日本の状況に(非常にうまく)適応した特殊方式だっただけで、普遍的に適用できる「型」というものではない。しかも、日本に「伝統的」な雇用形態ですらない。明治大正期の日本の企業は(当時のアメリカと比べてもより)ジョブ型だった。

「ブタの心臓を人体に移植」をThink!

ブタの心臓を人体に移植 米で世界初の成功(1月11日
米メリーランド大学は10日、人体が拒絶反応を起こさないよう遺伝子操作された豚の心臓を米国人男性に移植する手術を成功させたと発表した。

【高橋祥子さんの投稿】臓器移植の臓器不足のため他の動物からの異種間臓器移植は1980年頃から研究されていましたが、安全性をヒトで確認するのはハードルが高いです。そんな中、昨年には世界で初めてブタ腎臓をヒトに移植成功した事例があり、脳死状態の患者に対して家族が生命維持装置を外す直前に実験に参加した例でした。今回は、他の選択肢がなく死ぬか移植するかという選択だったため実施されたとのことで、移植3日後も順調に進んでいるとのことです。ゲノム編集技術によって免疫拒絶反応が起こらないように遺伝子を編集できるようになったことや、今後も事例が増えて安全性が確認されるとより一般的な選択肢として普及するようになるかもしれません。

「東証プライム市場の実力分析」をThink!

東証、再編後も欧米遠く 1社あたり時価総額は3分の1(1月12日)
4月に発足する東京証券取引所の実質的な最上位市場「プライム」の実力はどのくらいか。分析したところ、欧米の背中はなお遠いことが分かった。

チャールズ・レイクさんの投稿】確かに、欧米市場との差は鮮明であるが、日本の上場企業が時価総額で世界を凌駕していた頃以降の「失われた30年」の諸課題を一夜で解決することはできない。東証市場再編は令和の企業統治改革における重要ステップであり、国際金融資本市場の視点で明瞭な市場区分に移行する意義は大きい。これはゴールではなく出発点として捉え、上場企業の持続的な成長・中長期的な企業価値の向上に向け、各企業が選択した市場区分の中でDXやESG等への対応を含めた成長戦略の実践力を高める経営改革を実際に経営者が進めていることについて、建設的で実効的なエンゲージメントを通じ投資家の理解・支援を得ることが重要である。経営者の手腕が問われる。

「体操・内村航平選手が現役引退」をThink!

究極の王者・内村航平 「美しく勝つ」体現し続け(1月11日
美しく勝つ。ある意味で相反する2つの理想は、どんなスポーツの、どんな強者にとっても最も難しく、かつ葛藤を覚える命題かもしれない。体操界で「キング」の名をほしいままにした内村航平は、そんな究極の理想を体現し続けた選手だった。

為末大さんの投稿】内村選手とイベントでご一緒したことがありますが、質問に対しまるで「水の中で人の話を聞いて答えているような」ゆっくりとした受け答えだったのが印象に残っています。技術的な精度はもちろんですが、金メダルを何個も取るためにはその瞬間に力を出せる必要があります。周囲で起きていることをぼんやり眺めて頓着しない様子を見て、周りを遮断できるからこそあれだけ深い集中に入れていたのかもしれないと感じました。

「ロレックスに走る人びと」をThink!

ロレックス、後発からシェア25% 沈黙と雄弁の二刀流(1月9日)
「ロレックスマラソン」という言葉をご存じだろうか。腕時計ブランドとして断然の人気を誇るロレックス。そのめったに入荷されない人気モデルを購入するため、正規販売店に何十回、何百回と通い詰めることを表現した言葉だ。ロレックスを通じて消費の不思議に迫る。

【鈴木智子さんの投稿】ラグジュアリーブランドの多くが「マスティージ」と呼ばれるマス化戦略を取る中、ロレックスのようにプレミアムなイメージとポジショニングを保ち続けることは、差別化戦略の一つだと改めて感じました。ラグジュアリーの価値の源泉は、格別の品質と希少性にあります。ラグジュアリーの「民主化」で、その価値が毀損されつつあるといわれています。品質を守るために供給量が限られてしまうことは仕方がないのかもしれません。

ブランドが供給量を限定せざるを得ない中、転売ヤーなどの取引で価格が異様に上がってしまうのは残念なことです。売る方も買う方も、ラグジュアリーの品格を理解し守るといった消費者倫理が求められるように思います。


Think!
平日のニュースに投稿がつく「Think!」。これまでの投稿一覧と、エキスパートのみなさんのご紹介は次のページから。

【投稿一覧】
https://r.nikkei.com/topics/topic_expert_EVP00000
【エキスパート紹介】
https://www.nikkei.com/think-all-experts

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