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中小向け返済支援基金、運営の実態は?

2021年9月14日の日本経済新聞朝刊1面に「過剰人員、基金食い潰す」という記事がありました。国の基金に関して、中小企業が借入金の返済猶予を求める計画の策定支援事業で、計170億円超の支出のうち管理費が4割に上りました。運営実態はどうなっているのでしょうか。

ここが気になる

基金とは、必要額があらかじめ見込みにくいなど単年度の予算計上が難しい事業のため国が積み立てている資金です。返済猶予計画の策定支援に関する基金は、企業が専門家に再建計画作りを依頼する費用の一部を支給します。リーマン危機後に返済負担軽減を金融機関に求めた法律の期限が切れる代替策として、405億円積み立てました。

利用は低調で、公開情報や内部資料を調べると、14年度末までに2万件を見込んだ申請はその時点で7500件。国は利用を促すために申請条件を緩めましたが、19年度末で1万8500件です。全国の窓口にいる常駐者は150人以上。13~19年度に計105億3000万円の補助金を支出したのに対し管理費を67億8000万円も使い、人員過剰が浮き彫りになりました。

基金の管理費比率は平均1割程度ですが、少なくとも10基金が2割超であることも分かりました。非効率な体制が温存されるのは検証の仕組みが乏しいからです。各府省庁は毎年度公開する「基金シート」に収支や実績を記しますが、運営実態に踏み込むのはまれです。項目変更や記入ミスも多く、政府から独立して財政を検証する機関の導入を主張する専門家もいます。

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この記事をまとめた人:横山龍太郎
2016年入社。大阪で自動車関連や医薬品、造船企業の取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。首都圏の飲食事業者の間でノンアルコール飲料への関心が高まっています。外での飲み会が減ったのに合わせて、家ではアルコール飲料を飲まなくなりました。「アルコール感」が欲しくなった時はノンアルビールをたしなんでいます。

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