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マスク氏、テスラ株売却に奇策 為末大さんらとThink!

日経電子版「Think!」は、各界のエキスパートが注目ニュースにひとこと解説を投稿する機能です。11月5~12日のニュースでは、元陸上選手でDeportare Partners代表の為末大さんが「マスク氏のテスラ株売却」について読み解きました。このほか「10万円給付」「東芝3分割へ」といったテーマの記事に投稿が寄せられました。(投稿の引用部分はエキスパートの原文のままです)

「マスク氏のテスラ株売却」関連ニュースをThink!

マスク氏提案のTwitter投票、テスラ株売却に賛成多数(11月8日)
米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が自らの保有株を一部売却してでも納税すべきかどうかを問いかけたツイッター上の投票が7日、締め切られた。ツイッター画面上の集計によると、売却案への賛成票が反対票を上回った。

為末大さんの投稿】 格差が大きくなりすぎた現代では、富裕層はいかに嫉妬を受けないようにするかが必要な能力だと感じます。能力主義を信じ、能力の違いで収入に差があることはしょうがないとされる米国でも格差是正を求める声が強まっています。マイケル・サンデルを代表に成功には運の要素が強いということが指摘されつつあります。突き詰めて考えれば、民主主義は多数の合意さえとれれば富裕層から富を取り上げることが可能です。資本主義システムで弾かれてしまった人々が、世論形成や政治に賭けることがこれからは増えていくように思います。

大槻奈那さんの投稿】 マスク氏の今回の行動は、単なる"奇策"という話題性に留まらず、税の不公平感に対する今後の米国の施策を占う上で重要だと思います。

マスク氏に限らず、主要巨大企業の経営トップの個人としての税金は極めて少額。一方、保有株式の価値は数十兆円に上り、これらを担保に低利の融資を受け豊かな生活を享受していると批判されています。

こうした問題で、米国では富裕層課税の見直しの議論が活発化しています。今回マスク氏が株式を売却し、その結果株価が下落し多くの一般株主の資産が毀損することになれば、現在米国の一部で議論がある株式含み益課税や高額不動産増税等も一歩実現に近づくかもしれません。

「10万円給付」関連ニュースをThink!

自公「10万円給付」合意(11月9日
自民、公明両党の幹事長は9日、国会内で会談し、経済対策の柱として18歳以下の子どもに10万円相当を給付する方針で合意した。

鈴木亘さんの投稿】 「足して2で割る」という旧態依然とした政治に戻った印象だ。困窮する子育て世帯への支援ならば、所得制限はもっと低く設定すべきである。一方、子供への支援ということであれば、親が勝手なことに使えないように、全額を使途制限するクーポンにすべきである。若い世代への所得再分配や消費刺激などのマクロ経済対策が目的であるならば、所得制限を入れるべきではないし、子どもの有無で区別すべきではない。要するに、これは理念なきバラマキに他ならない。問題は、このようなバラマキを続ける余力がこの国にあるかということである。コロナ感染が深刻な時期は躊躇なく財政支出を行うべきだが、財政のタガが緩み切ったまま平時に移るのは辛い。

「東芝3分割へ」関連ニュースをThink!

東芝が事業別に3社に分割 総合電機に幕、それぞれ上場(11月8日)
東芝が会社全体を主要事業ごとに3つに分割する検討に入った。

楠木建さんの投稿】 企業の実質は事業にあります。稼いでくるのは個別の事業であり、会社(=企業)は事業の乗り物に過ぎません。会社はラッピングで事業が中身。事業が主で、会社は従。この主従関係が大切だと考えます。コングロマリット・ディスカウント云々以前に、それぞれの事業が競争の中で長期利益を獲得できなければ、会社も結局は衰退します。裏返せば、会社がなくなっても事業が繁栄すれば何の問題もない。雇用も増え、税収も増大します。東芝の決断は筋が通っていると思います。こうしたスピンオフの事例が日本の上場企業に増えていくことを期待しています。

「日本に潜む分断」をThink!

日本に潜む分断 衆院選分析、40歳未満で自民300迫る(11月7日
米国などでみられる政治の分断が日本にも潜む。衆院選は事前予想を上回る自民党の勝利だった。出口調査や自治体ごとの得票のデータをひもとくと40歳未満の層で強さが顕著で、高齢者と溝がある。

渡部恒雄さんの投稿】 米国でみられる政治の分断の要素の一つは、中道派の議員と支持者が減少して、政策軸と支持者の保守とリベラルへの両極化が進んだことでした。米国の現状は「4大政党制」と揶揄されるように民主党が左派と中道に割れ、共和党がトランプ派と伝統的共和党員に割れ、全体の中道派が弱ってます。この記事では若い有権者が自民党を支持する傾向を示して日本政治の分断を予測していますが、単に若者の支持を失った既存の野党の分断を示しているだけではないでしょうか。今回の議席増は、連立与党の公明党と、日本維新の会と国民民主党、選挙後に新会派「有志の会」を立ち上げた中道の無所属議員たちです。中道支持が増えていることが米国との違いです。

「コロナ感染、急減の理由」をThink!

コロナ感染、なぜ急減 専門家に聞く(11月8日)
新型コロナウイルスの国内感染者数が急減している。1日2万人を超える新規感染者が報告された8月から状況は一変した。急減の理由は何か、今後はどうなるのかを専門家に聞いた。

花村遼さんの投稿】最近、コロナの急激な収束の要因がウイルスのゲノム変異修復酵素(nsp14)への変異によるコロナの「自滅」説がささやかれていますが、個人的にはかなり疑問を持っています。①ウイルスの生存に不利な変異が入った株については、変異が入らない元々の株が優位になっていくだけであり、なぜnsp14の変異の入っていない元々のデルタ株が残らなかったのか、②日本以上に感染が爆発した海外ではなぜ同じ変異が入り自滅しなかったのか、などの疑問が残ります。現時点では、オーソドックスにワクチンの効果と公衆衛生意識の高い行動により、局所的な強い集団免疫の獲得と考えるのが妥当かと考えています。


Think!
平日のニュースに投稿がつく「Think!」。これまでの投稿のまとめ読みと、エキスパートのみなさんのご紹介は次のページから。

【投稿まとめ読み】
https://r.nikkei.com/topics/topic_expert_EVP00000
【エキスパート一覧】
https://www.nikkei.com/think-all-experts

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