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若手が「リスキリング迷子」 池上彰さんらとThink!

日経電子版「Think!」は、各界のエキスパートが注目ニュースにひとこと解説を投稿する機能です。3月3〜10日の記事では、ジャーナリストで東京工業大学特命教授の池上彰さんが「リスキリング迷子」を読み解きました。このほか「元徴用工問題」「H3初号機失敗」といったテーマの記事に投稿が寄せられました。振り返ってみましょう。(投稿の引用部分はエキスパートの原文のままです)

「リスキリング迷子」をThink!

若手が「リスキリング迷子」 何を学ぶ…先輩の姿に焦り(3月9日)
新たな仕事や役割に備えるリスキリング。中高年はもちろん、20〜30歳代の関心も高い。様々な学びに早くから取り組めば知識や技術は吸収しやすい。一方、何を学ぶべきか見極めきれず、悩みを抱える例も目立つ。

池上彰さんの投稿】学びには、「すぐに役に立つこと」と「すぐには役に立たないように見えるが、いずれ思いがけない形で役に立つもの」があるというのが、私の実感です。リスキリングの言葉が飛び交っていると、つい「すぐに役に立つことはなんだろう」と焦りがちですが、自分の興味関心のあることに片っ端から首を突っ込んでみることや、人生を豊かにする読書に没頭することも、長い目で見ればリスキリングになるのだ、くらいの気持ちで人生に向き合ってみてください。焦っても仕方ありませんよ。

「元徴用工問題、『知日派』の耐性」をThink!

元徴用工問題、解決策で試される韓国「知日派」の耐性(3月10日)
「モメンタム(勢い)が失われないうちにやってしまおう」。韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領はこう考え、側近たちの慎重論を押し切った。その結果、韓国政府が6日に発表した元徴用工訴訟問題の解決策は韓国内での反応が芳しくない。一部の原告や弁護士、支援団体は強硬に反発する。

植木安弘さんの投稿】東アジアの安全保障環境が一層厳しくなる中で、日韓関係の改善は、日本と韓国両国の国益になる。今回の尹大統領の決断は勇気のいるもので、一部の反対はあっても、国民の理解を得ることが望まれる。日韓首脳会談やG7サミットへの招待は、日韓関係改善の外堀を埋める意味でも大事であろう。日本もこの機会を逃してはならない。また、韓国の人達の訪日が増えていることも長期的な日本の理解と日韓関係の改善にとって役に立つことが期待される。

「H3ロケット初号機失敗」をThink!

H3ロケット初号機失敗 打ち上げ後に指令破壊(3月7日)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7日、大型ロケット「H3」初号機の打ち上げに失敗した。地上からは飛び立ったが、2段目のエンジンの点火を確認できず、機体を破壊する指令を出した。

山崎直子さんの投稿】最大限尽力してきた関係者の悔しさを思うと心が痛みます。今回、試験機1号という位置付けであり、まずはデータ分析の上、早期に失敗を乗り越えて再挑戦し、H3ロケットを成功に導くことを祈念しています。並行して、原因究明の期間が現状では未定であるため、様々な場合を想定し、今後の人工衛星や探査機、ISS補給機などの打上げ計画を練ることが大切です。H3の原因解明の間、H2シリーズの運用を延長出来るのかも含めて、多角的な検討が必要です。

「海渡る『出稼ぎ日本人』」をThink!

海渡る「出稼ぎ日本人」 さよなら、安いニッポン(3月4日)
安いニッポンよ、さようなら――。景気低迷が続き、賃金が上がらない日本を見限り、高額報酬を求めて海を渡る日本人が後を絶たない。経済協力開発機構(OECD)によると、日本の平均賃金は34カ国中24位。主要7カ国(G7)で最低だ。

繁田奈歩さんの投稿】出稼ぎかどうかは別として海外で働きたいという人たちは増えているし、それが昔のように特定の都市/国だけでなく世界各地に広がっている感じ。単に給与の問題というよりも、経済が成長するところに身を置きたいとか、日本よりも海外で一足飛びにいろいろなチャレンジをしたいとか、自分の興味ある文化の国で生活したいとか金銭以外でのメリットを求めている人たちも多い。自分も含めいずれこういった人たちが日本に戻るかはさておき、多様な国で様々な経験を積んだ日本人が増えていくことは未来に向けてよいことなのではと思う。

「セブン&アイ、ヨーカ堂店舗削減」をThink!

セブン&アイ、イトーヨーカ堂店舗2割減 アパレル撤退(3月9日)
セブン&アイ・ホールディングスは9日、総合スーパー、イトーヨーカ堂の店舗を2026年2月末までに2割超削減すると発表した。グループ発祥のアパレル事業からは完全撤退する。ヨーカ堂は22年2月期まで2期連続で最終赤字を計上した。

蛯原健さんの投稿】米国からの市場開放圧力によって大店法が改正されて約四半世紀、日本津々浦々にあった商店街がみな永遠にシャッターを降ろし、小規模商圏というものが概念ごと崩壊した。代わりに登場したのが日本中どの地方にいっても画一的な、大規模チェーン系小売・飲食店が郊外国道沿いに居並ぶ姿、それが日本の原風景として取って替わった。それを代表する存在がこの会社であったが四半世紀経っていよいよそうした中・大規模商圏すらも日本の地方都市の殆どにおいてエコノミクスが成り立たなくなったという事が本件から見て取れるのではなかろうか。

「対話AI、業務の助手に」をThink!

社員1万2500人、対話AIを助手に パナソニックコネクト(3月8日【イブニングスクープ】)
パナソニックホールディングス(HD)傘下でシステム開発を手掛けるパナソニックコネクトが対話型人工知能(AI)の大規模活用を始めた。日本で働く全社員1万2500人を対象に、資料の下書きなどの業務の「助手」として使えるようにした。

山口真一さんの投稿】優れた対話AIを業務効率化に利用しようという動きが活発になってきています。そのような中、ここまで大規模に活用した事例は珍しく、正にDXといえ、今後どの程度生産性が高まるのか注目されます。他方、現在の対話AIはナチュラルに誤情報を提供してくるのも事実であり、AIから出てきた情報をそのまま活用するのにはリスクが伴います。チェックは大変な作業であり、つい省きたくなってしまうのが人間ですが、それを回避できるように企業内で十分に啓発することも大切そうです。


Think!
ニュースに投稿がつく「Think!」。これまでの投稿一覧と、エキスパートのみなさんのご紹介は次のページから。

【投稿一覧】
https://r.nikkei.com/topics/topic_expert_EVP00000
【エキスパート紹介】
https://www.nikkei.com/think-all-experts

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