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金融所得の税率どうなる 中空麻奈さんらとThink!

日経電子版「Think!」は、各界のエキスパートが注目ニュースにひとこと解説を投稿する機能です。10月1~8日のニュースでは、BNPパリバ証券グローバルマーケット統括本部副会長の中空麻奈さんが「金融所得の税率上げ議論」について別の視点を提供しました。このほか「米テスラの本社移転」「ノーベル物理学賞に真鍋氏」といった記事に投稿が寄せられました。

「金融所得の税率上げ議論」関連ニュースをThink!

金融所得の税率上げ議論へ 政府、一律引き上げや累進案(10月7日)
政府は金融所得課税の見直しを年末の2022年度税制改正で議論する方針だ。現在20%の税率を一律で引き上げる案や、高所得者の負担が重くなるよう累進的に課税する案を検討する。

中空麻奈さんの投稿】 イタリア議会が5日、税制改革のフレームワークを承認した。そのフレームワークには新税制のガイドラインやその目的が含まれている。翻って、日本の税制改正のフレームワークが見えない。債務残高が桁外れに大きいことは周知で、歳出も歳入も両方のバランスよい改革が求められるのも当然なのだが、やり方には問題があるのではないだろうか。税制はペナルティにもインセンティブにもなるものだから、日本がどういうところに資金を集め、どういうマネーフローを作りたいかの、政策上の写し絵になっているはず。株価が落ち、貯蓄から投資への勢いが落ちることの引き換えに何が充実するのかが見える必要がある。

「米テスラの本社移転」をThink!

テスラ、本社をテキサス州に移転 マスクCEOが表明(10月8日
米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は7日、本社を西部カリフォルニア州パロアルトから南部テキサス州オースティンに移すと発表した。

【池上彰さんの投稿】 結局は節税対策なのか、という印象ではありますが。いまテキサスは大きく変貌しつつあります。かつては「石油産業の州」というイメージがありましたが、最近はハイテク産業の立地が進んでいます。それに伴い、米大統領選挙では共和党の金城湯池だったテキサスで民主党の支持が伸びています。今回のニュースも、アメリカという国家の構造変化を象徴しているように思えます。

「ノーベル物理学賞に真鍋氏」をThink!

ノーベル物理学賞に真鍋氏 温暖化予測、気候モデル開発(10月5日)
スウェーデン王立科学アカデミーは5日、2021年のノーベル物理学賞を日本出身で米国籍の真鍋淑郎・米プリンストン大学上席研究員(90)らに授与すると発表した。物理法則をもとに、大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が気候に与える影響を明らかにした。

【高村ゆかりさんの投稿 気候科学研究が「物理学賞」を受賞するのは画期的だ。眞鍋先生らの研究が引き継がれ、モデルの高度化も進み、予測の不確実性も低減された。パリ協定の「2℃目標」「1.5℃目標」の気温上昇抑制目標や2050年カーボンニュートラル目標も気候科学の知見をふまえた目標だ。最近続く大雨の被害を低減する治水などの対策も将来の影響予測に基づき進められている。企業が気候変動リスクの情報開示のために行うリスク分析・評価を行うための必須の情報も提供する。気候変動(温暖化)という問題の存在、将来起こりうる変化や影響を気づかせ、何をしなければならないかを考える科学的基盤を提供した、社会に最も大きく貢献した科学研究の一つだ

「Facebook内部告発者が証言」関連ニュースをThink!

Facebook内部告発者「安全より利益優先」 米公聴会(10月6日
米フェイスブックが児童保護などに関する自社に不都合な調査結果を隠していたとされる問題を巡り、米メディアなどに内部資料を提供してきた同社元社員フランシス・ホーゲン氏が5日、米議会公聴会で証言した。

【楠正憲さんの投稿 酒であれ煙草であれ、弊害はあれど社会から認められてきた商品は数多くあります。刃物や自動車だって、正しく使えば文明を豊かにするけれども、悪用なり不注意によって事件や事故に繋がることもある。便利な道具とは、そもそもそういった側面があるのです。大人であれば深酒のような愚行権も認められるけれども、子どもの飲酒や喫煙は法律で禁じられている。Webサービスのアルゴリズムのように現代に入ってから人為的に設計された人工物で、特に子どもも対象とした商品・サービスに対しては、より厳しく設計提供者としての倫理が問われるのでしょうか。Tech Giantが米社会とどう折り合いをつけて信頼を取り戻すかに注目です。

「ENEOSが再生エネ新興買収」をThink!

ENEOSが再生エネ新興買収 2000億円、石油依存転換(10月7日)
ENEOSホールディングスは再生可能エネルギー新興企業のジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE、東京・港)を買収する方針を固めた。買収額は2000億円程度の見通し。

諸富徹さんの投稿】 もしこの記事の内容が本当だとすれば、ENEOSにとっては会心の出来だろう。同時に、日本における化石燃料産業から再エネ産業への主役交代を象徴する買収劇になると思われる。洋上風力発電ビジネスは巨額投資を必要とするが、出力も巨大で成功すれば大きな収益を生む。部品点数もきわめて多く、裾野産業の育成につながる点で日本の製造業にとって朗報だ。さらに、化石燃料輸入の削減で貿易収支の改善にも寄与できる。洋上風力で日本は出遅れていたが、ENEOSは仏企業と組んで、水深が深い日本周辺の海域に適した「浮体式」の開発に取り組んでいる。まだ発展途上の技術であり、これで一挙に世界の最先端に躍り出るつもりではないか。

岸田首相の「新しい資本主義」をThink!

岸田首相の「新しい資本主義」とは何か(10月5日)
4日に就任した岸田文雄首相は「新しい資本主義」の実現を政権の基本方針に盛り込んだ。聞き慣れない言葉だが、いったい何をめざしているのか。

【野崎浩成さんの投稿】 自由放任主義による経済発展で格差を容認する前提となるのは、富める者からこぼれ落ちる利益が持たざる者にも行きわたる「トリクルダウン」です。しかし、勝者から敗者に回る富などは、どの地域においても存在しませんでした。救いなのは、ミレニアル世代を中心にお金と持続可能性とのバランスを重視する傾向がある点です。こうした世代が金融投資を行うに当たって、SDGsを重視する動きが他の世代にも広がり、企業への規律付けが株主の経済的リターンから、社会的課題に向かわせることで、過度な政府介入を行うことなく健全な資本主義へと変わることを願っています。


Think!
平日のニュースに投稿がつく「Think!」。これまでの投稿のまとめ読みと、エキスパートのみなさんのご紹介は次のページから。

【投稿まとめ読み】
https://r.nikkei.com/topics/topic_expert_EVP00000
【エキスパート一覧】
https://www.nikkei.com/think-all-experts

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