ロシア石油「裏ルート」で取引、何が問題?
2022年9月8日の日本経済新聞朝刊1面に「ロシア石油、欧州へ裏流通」という記事がありました。企業がギリシャ沖でロシア発の石油を受け取り、船を替え欧州に入港する例が急増しています。現時点では禁輸とはされていないロシア石油の流入ですが、何が問題なのでしょうか。

ここが気になる
ロシアの石油が「裏ルート」で欧州に流入しています。ギリシャ沖でロシア発タンカーから石油を受け取り欧州の港に入港した船は半年で41隻と、1隻だった前年から大幅に増えました。石油の産地が曖昧になり、ロシアとの取引だとばれずに欧州へと運ぶことができます。
ウクライナへの侵攻を続けるロシアに対し、各国は「ロシア封じ」に動いています。主要7カ国(G7)は12月からロシア石油の価格に上限を設け、流通を絞ります。ロシアの資金源を断つことが目的です。欧州連合(EU)ではロシア産エネルギーからの脱却をめざし、2027年までに約29兆円規模を投じる方針です。
船荷の移し替えは制裁を回避する抜け道として残りかねません。米国務省は不正に関与しないよう警告しています。産地があやふやなロシア産品が流通すれば、ロシアへの制裁効果は薄れます。国際連携を強化し、不透明な取引をあぶり出す方法が必要です。

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この記事をまとめた人:宮脇雄斗
2020年入社。小売・レジャー業界の取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。
【私の注目記事】くら寿司が1皿の最低価格を5円上げ115円に値上げします。いつの日か「100円回転ずし行こう」と発言しようものなら、死語を使うおっちゃんとして認定されてしまう日が来てしまうのでしょうか。
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