ロシアの偽情報工作の歴史は?
2022年4月8日の日本経済新聞朝刊1面に「デジタル鎖国で世論操作」という記事がありました。ロシアのウクライナ侵攻を巡り、SNS(交流サイト)上の偽情報の拡散経路を調べたところ、ロシアの拡散工作を担ったとみられる100以上のアカウントが確認できました。ロシアの偽情報拡散は、過去にどんな例があるのでしょうか。

ここが気になる
偽情報の工作はロシアの常とう手段で、旧ソ連時代から長年にわたり展開してきました。例えば、東西冷戦期には「エイズは米国防総省の生物兵器研究の結果生まれた」との偽情報を流布しました。2014年のクリミア併合を巡っては、クリミア半島のロシア系市民は弾圧されているとの偽情報を拡散し、併合を正当化しました。
ロシアは、他国の選挙にも影響を与えました。16年の米大統領選ではロシアの政府系組織などが民主党のクリントン元国務長官を追い落とすため、SNSで人種差別などに関する投稿を繰り返し、米世論の分断を試みたとされます。今回のウクライナ侵攻では、「ウクライナ軍の攻撃で住民の保護が必要」「虐殺の映像は捏造(ねつぞう)」といった偽情報を流しています。
ロシアの狙いは、偽情報を国内に飽和させ、国民を世界の情報から分断することです。西側メディアでは偽情報の検証が活発になっており、フェイク対策技術への投資も進んだことで流通には一定の歯止めがかかっています。一方、中国やギリシャといった関係の深い地域のニュースサイトなどには転載されています。

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この記事をまとめた人:横山龍太郎
2016年入社。大阪で自動車関連や医薬品、造船企業の取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。メルカリが数日遅い配達を選べば送料を安くする「ゆっくり宅配」に乗り出します。よく書籍をネットショッピングで購入しますが、配達の速さは特に求めていないので私にとっては助かるサービスになりそうです。
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