権利者不明の動画や音楽、二次利用どう促進?
2022年12月6日の日本経済新聞朝刊1面に「権利不明の著作、二次利用促進」という記事がありました。ネット配信などコンテンツ事業が拡大するなか、権利者がわからない作品が増えています。国は二次利用をどのように促進するのでしょうか。

ここが気になる
著作権は動画や音楽などの著作物を作った人に対し創作時点で自動的に与えられます。私的な使用での複製や入試問題への掲載は権利者の許諾がなくても利用できますが、デジタル配信など二次的な利用には許諾が必要です。最近では映画を無断で10分ほどに編集した「ファスト映画」が問題になりました。
著作権処理が難しい作品群として、制作時にネット配信を想定していない古いドラマや演劇、動画投稿サイトやSNSで流通する個人制作の動画などがあります。現行制度では権利者不明の著作物でも、文化庁長官の「裁定」を受ければ複製や配信が可能です。ただ権利者を探すための手続きが1~2カ月ほどかかり、企業の利用や個人の創作活動を阻む壁となっていました。
そこで文化庁が相談に応じる一元的な窓口組織を新設します。利用者が権利者を把握していない場合、著作権管理団体のデータベースから権利者を探し、不明なら著作権使用料の相当額を窓口に納めれば暫定的に利用が認められます。コンテンツ流通の拡大が見込めますが、相談への迅速な対応など使い勝手のよしあしも大切になってきます。

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この記事をまとめた人:神戸優平
2017年入社。電子版と紙面の編集を担当。サウナーの端くれとして、都内の穴場サウナを開拓する日々です。
2017年入社。電子版と紙面の編集を担当。サウナーの端くれとして、都内の穴場サウナを開拓する日々です。

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