企業年金利率下げ、将来にどう影響?
2022年4月6日の日本経済新聞朝刊1面に「日生、年金予定利率下げ」という記事がありました。日本生命保険は企業年金保険の予定利率を2023年4月に1.25%から0.50%に引き下げます。この動きは私たちの将来にどう影響するのでしょうか。

ここが気になる
企業年金とは企業が従業員の福利厚生のために任意で設けるもので、国民年金や厚生年金に上乗せして支払われます。日本生命は将来の支払額を保証する「確定給付型」企業年金で予定利率を21年ぶりに引き下げます。同社は確定給付企業年金を採用する企業の4割超にあたる5200社と契約があり、運用額は5兆6000億円に及びます。
引き下げの背景には長引く低金利による運用難があります。25年に導入される資本規制では、実際の市場金利より高い予定利回りを約束している場合、負債が膨らみやすくなるため予定利率引き下げが課題でした。利率が下がると、将来受け取りが期待される金額も低くなります。企業が掛け金を積み増すことも想定されます。
第一生命保険は21年10月に予定利率を引き下げており、他の生保各社にも動きが広がるかどうかが今後の焦点です。第一生命が引き下げを実施した際、一部の資金が信託銀行に流れるなど顧客離れが起きたといいます。加入者が運用の責任を負い、実績で受取額が変わる「確定拠出型」への移行を検討する企業も増えそうです。

若手編集者が同世代にむけて新聞の読みどころを発信する「朝刊1面を読もう/Morning Briefing」は平日朝に公開します。
この記事をまとめた人:松冨千紘
2018年入社。製薬・医療機器メーカーの取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。神宮外苑の再開発が始動します。ドラマなどでおなじみのイチョウ並木の風景を残しつつ、どのような「世界に誇るスポーツの集積地」に生まれ変わるのか気になります。
2018年入社。製薬・医療機器メーカーの取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。神宮外苑の再開発が始動します。ドラマなどでおなじみのイチョウ並木の風景を残しつつ、どのような「世界に誇るスポーツの集積地」に生まれ変わるのか気になります。

日本経済新聞が最も大切にしている「朝刊1面」のニュースをわかりやすく、アレンジしてお届けします。
なぜこのニュースが大切なのか、インパクトはどこまで及ぶのか。
学生、若手社会人向けにニュースの背景を読み解くポイントをお伝えします。
動画で解説 日経電子版活用法
経営コンサルタントの小宮一慶氏が電子版活用法を動画で解説。より深くニュースを読み解くヒントが満載です。
>>日経電子版 活用動画