ペロシ米下院議長の台湾訪問、中国なぜ猛反発? - 日本経済新聞
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ペロシ米下院議長の訪台、中国なぜ猛反発?

2022年8月4日の日本経済新聞朝刊1面に「米下院議長『米台は団結』」という記事がありました。ペロシ米下院議長が3日、訪問先の台湾で蔡英文(ツァイ・インウェン)総統と会談しました。中国は台湾を取り囲む形で軍事演習に乗り出します。なぜ中国はこれほど猛反発しているのでしょうか。

ここが気になる

中国は台湾を自国の一部と主張し、台湾問題を最大の「核心的利益」と位置づけています。ペロシ氏の訪問は中国にとっては「内政干渉」であり譲れない一線でした。また米下院議長は大統領継承順位2位の要職です。台湾の扱いが「国」に近づけば習近平(シー・ジンピン)指導部の求心力が低下する恐れがあります。

ペロシ氏が筋金入りの対中強硬派であることも反発する理由です。ペロシ氏は中国の人権弾圧を長年批判してきました。1989年の天安門事件の2年後に天安門広場を訪問したほか、中国共産党が敵視するダライ・ラマ14世とも面会しています。今年2月の北京冬季五輪でも政府関係者の派遣を見送る「外交ボイコット」を呼びかけました。

習国家主席にとって、いまが重要な時期なのも関係しています。もともとペロシ氏は4月に訪台を計画しましたが、今回ほど反発していませんでした。8月は秋の共産党大会へ向けて、党幹部らが集まる「北戴河会議」が開かれる政治の季節です。3期目をめざす習氏は米国に弱腰な姿勢を見せられません。7月のバイデン米大統領との電話で「火遊びは身を焦がす」と警告しましたが、今回の訪問でメンツは潰されました。

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この記事をまとめた人:浮島翼
2016年入社。首相官邸や立憲民主党の取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。

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