サイバー攻撃で水害も ネットの闇に「経済安保の死角」
「サイバーカオス 経済安保の死角」まとめ読み

日々の生活を支えるインフラの安全性がサイバー攻撃で脅かされ、企業の機密文書がネットにさらされる――。サイバー空間の混沌(カオス)が、日本の経済安全保障を揺るがしかねない事態へと深刻化しています。連載企画「サイバーカオス」の第2弾では、個人や企業が気づかぬ間にネットの闇で広がる「経済安保の死角」に光を当てます。専門家と協力して独自調査を実施した連載企画をまとめました。
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水道や電力など日本の社会インフラのうち、少なくとも877カ所でサイバー攻撃の被害に遭うリスクが高いことが日本経済新聞の調べで分かった。排水ポンプを止めて水害のリスクを上げたり、再生可能エネルギー施設の警報を切ったりできる。基幹インフラの防護は経済安全保障政策の柱の一つ。暮らしやビジネスに思わぬ影響を与えかねない。
【経済安保の死角(上)】
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日本経済新聞とセキュリティー企業ゼロゼロワン(東京・渋谷)の共同調査で、地方自治体が運営する水道施設の遠隔監視システムにサイバー攻撃のリスクなどが見つかった。最前線では何が起きているのか。現場を歩いた。
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高市早苗経済安全保障相は社会インフラの脆弱な監視システムに関する日本経済新聞の調査に書面で質問に回答した。「サイバーセキュリティー政策と経済安保の一体的な確保に向けた取り組みを進めていく」と明らかにした。
【経済安保の死角(上)関連記事】
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サイバー犯罪集団が産業スパイの性格を強めている。4月以降、スイスの製薬大手ノバルティスなど37社に攻撃を仕掛け、盗んだデータを売り出したサイバー犯罪集団が現れた。日本経済新聞の取材に「国からスパイ行為を請け負っている」と告白した集団もいる。
【経済安保の死角(中)】
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イスラエルのセキュリティー企業KELAと日本経済新聞は、サイバー戦の標的になり得る社会インフラ関連企業を対象に、ダークウェブ(闇サイト群)で情報が売買されているかどうかを調べた。2021年以降に出光興産や水処理の栗田工業のシステムへの攻撃方法とされる情報が売りに出されていたことがわかった。
【経済安保の死角(中)関連記事】
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ネット検索大手百度(バイドゥ)などが運営する中国の文書共有サイトに、グローバル企業の社外秘文書が流出している疑いがあることが分かった。トヨタ自動車や米アップルなど660超の企業の設計図などだ。重要情報が流出すれば経済安全保障を揺るがす。中国サイトが漏洩の温床となっている可能性がある。
【経済安保の死角(下)】
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中国のネット大手・百度が運営する文書共有サイト「百度文庫」などに、グローバル企業の社外秘文書が数多く漏洩している疑いがあることが分かった。中国政府は個人情報や知的財産などデータ管理の強化をプラットフォーマーに求める法整備を進めている。国益を優先しているとみられ海外企業の権利保護はまだ途上だ。
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【サイバーカオス 第1部 解明コンティ】
【サイバーカオス 解明コンティ 関連インタビュー】

手口が巧妙化し被害が増えているサイバー攻撃や、それに対する防衛策などに関する最新記事をまとめたページです。