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世界の中銀、緩和マネー圧縮 尾河真樹さんらとThink!

日経電子版「Think!」は、各界のエキスパートが注目ニュースにひとこと解説を投稿する機能です。5月27日~6月3日の記事では、ソニーフィナンシャルグループ執行役員兼金融市場調査部長の尾河真樹さんが「緩和マネー、年2兆ドル収縮へ」を読み解きました。このほか「メタ、経営に転機」「台湾へ武器供与拡大」といったテーマの記事に投稿が寄せられました。振り返ってみましょう。(投稿の引用部分はエキスパートの原文のままです)

「緩和マネー収縮」をThink!

緩和マネー、年2兆ドル収縮へ 世界の中銀が資産圧縮(6月1日)
世界の主要中銀が新型コロナウイルス禍への対応で供給した10兆ドル(約1300兆円)の吸収を急ぐ。米連邦準備理事会(FRB)は6月1日から量的引き締め(QT)を始め、開始済みの英国やカナダなどを含む世界の中銀の資産圧縮は今後1年で2兆ドルに及ぶ見込みだ。

尾河真樹さんの投稿】中銀の資産規模が為替に及ぼす影響については、しばしばソロスチャート(日米マネタリーベース比率)が注目される。確かに2008年のリーマンショック以降米国の量的緩和局面(ドル円下落)や、2013年以降の黒田緩和局面(ドル円上昇)では、ソロスチャートの動きとドル円が連動した。しかし、例えば2001年~2003年は、日銀の量的緩和にも関わらず米国の利下げによってドル円は下落しており、「量」よりも「金利」が為替に及ぼす影響のほうが大きいことを示している。一本調子の円安には歯止めがかかったが、各国の利上げと日本の緩和維持で、円安の地合いはまだ続くだろう。

「メタ、経営に転機」をThink!

メタ、サンドバーグCOO退任 巨大SNS企業の経営転機に(6月2日)
米メタは1日、シェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)が今秋に退任すると発表した。マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が製品開発、サンドバーグ氏が事業を担ってきた巨大SNS(交流サイト)企業の経営は転機を迎える。

蛯原健さんの投稿】驚きの一方で、逆によくここまで持ったものだという想いが去来する。まだ二十歳そこそこで、当時はまだテック業界でも札付きの生意気で変わり者だったザッカーバーグ氏にだいぶ歳上のナンバー2として支えるというのは並大抵の事では無かったであろう事は想像に難くない。プライベートでも配偶者を事故で無くす壮絶な経験も経てなお気丈に仕事に撤し、女性では唯一のビッグテック経営者としての存在感を活かして従来業界に女性が少ない問題も踏まえて積極的に女性の社会進出について発信をしてきた事の功績も大きい。

「台湾へ武器提供拡大」をThink!

米国防長官、台湾へ武器提供拡大 「統合抑止力を重視」(6月1日)
オースティン米国防長官は台湾に対する中国の脅威の高まりに合わせて、台湾軍への武器支援や訓練を拡大していく意向を表明した。全ての戦闘領域で同盟国などと連携を深める「統合抑止力」を重視し「侵略のコストや愚かさを極めて明確にする」と断言した。

川島真さんの投稿】台湾国防部は、中国が2025年前後に台湾を武力統一する軍事力を持つようになるが、直ちに軍事力を使うのではなく、その軍事力を演習などで見せつけつつ、「ハイブリッド戦」「グレーゾーン侵攻」などによって、台湾社会、台湾企業に浸透して、中国統一を望む勢力を育成しようするだろうと予測。だからこそ、台湾の軍事力それ自体を強化しながら、台湾の民主主義や価値観などを対象とする中国の浸透工作から防衛する「統合抑止力」が重要になるということだろう。そうした、単純な軍事力以外の分野を想定すると、日本の関与がとても重要になってくる、のだと思われる。

「新興テック、人員削減2万人」をThink!

新興テック、人員削減2万人 IPO低迷で急成長に転機(6月1日)
世界の新興テクノロジー企業が試練に直面している。2022年4月以降のレイオフ(一時解雇)は2万人を超え、四半期として過去2年間で最多となる。

河合祐子さんの投稿】世界金融危機、コロナ禍と金融システム不安や景気下押しに対して、多くの中央銀行が金融緩和(世の中に流通するお金を増やす)で臨んできたが、米国でまず巻き戻しが始まり、投資資金の引き揚げが一部に見られている。この記事にあるスタートアップの人員削減は、こうした資金フロー変化の影響のひとつと言えるか。VCが慎重になると日本のスタートアップでも同じことが起きるかもしれないが、一方で、デジタル分野の専門人材の引き合いはまだまだ強いというのが現場にいる感覚。事務職、営業職でも、デジタル・プロジェクトの運営、紹介や、スタートアップ組織の運営管理に長けた人は貴重。いよいよ(自分も含めて)リスキリングが重要に。

「ロシア国債不履行」をThink!

ロシア国債、早まった異例の「不履行」 孤立を象徴(6月2日)
世界の大手金融機関でつくるクレジットデリバティブ決定委員会は1日、ロシア国債が「支払い不履行」に陥ったとの判断を示した。7月にも想定されていた「Xデー」は異例な形で早まった。

鈴木一人さんの投稿】ついにデフォルトがクレジットデリバティブ決定委員会で認定された。これでロシアは外債を発行することが出来なくなる。まだルーブル建ての国債は出せるので、ロシア国内では戦費の調達をすることはできるだろうが、それも早晩限界が来るだろう。ロシアが制裁で音を上げて戦争を止めるという方向に行くのか、それとも強権を発動して、国家総動員令のような形で国民を窮乏させてでも戦争を継続するのか、という段階に入ってきた。果たして、これから戦争を長期化させてロシアがより窮乏していく状況となるのだろうか。

「大学イメージ、京都大学が1位」をThink!

人事が見る大学イメージ、京都大学が1位 7年ぶり(6月1日)
上場企業と一部の有力未上場企業の人事担当者に、採用した学生から見た大学のイメージなどを聞いた。総合ランキングは7年ぶりに京都大学が1位となり、10位までのうち9校を国立大が占めた。

村上芽さんの投稿】地方で特色のある学びを提供する大学への注目が高まることは、学生、大学、企業、高校生、地域の関係者それぞれにとって、進路や仕事、研究の選択肢拡大・視野拡大や多様性につながると期待できます。

オンラインでのコミュニケ―ション機会が増えたことも、追い風なのではないかと考えます。


Think!
平日のニュースに投稿がつく「Think!」。これまでの投稿一覧と、エキスパートのみなさんのご紹介は次のページから。

【投稿一覧】
https://r.nikkei.com/topics/topic_expert_EVP00000
【エキスパート紹介】
https://www.nikkei.com/think-all-experts

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