春秋(2月28日)
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大阪や八坂さか中鯖(さば)ひとつ大師にくれで馬の腹病む。こんな文句を唱えると腹痛がやむという俗信がある。起源は次の通り。塩サバを運ぶ馬子がお坊さんから「1匹くれ」と乞われ、無視したところ馬が動かなくなった。思い直して与えるとあら不思議、元気になった。
▼お坊さんの正体は弘法大師である。お経を唱えて海に放した塩サバは生き返り、泳いで逃げたと、「サバの文化誌」(田村勇著)につづられている。この青魚は...
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