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[社説]実効性ある台風・大雨情報を

台風15号が静岡県などに予想を上回る大雨をもたらし、土砂災害や大規模な断水が発生した。死者も出ている。勢力が直前の14号よりずっと弱かったため、気象庁などの防災情報の量や頻度が少なかった点には改善の余地がある。

18日に九州に上陸した台風14号は南海上で最強ランクの「猛烈な台風」となった。勢力をあまり弱めないまま北上し、気象庁は上陸前に5回にわたり記者向けの説明や会見の場を設けた。

特別警報級の大雨の恐れがあるとしたほか、線状降水帯の予測に関する情報も出した。きめ細かな情報提供が功を奏し、台風の強さの割に人的被害は少なかった。

一方、15号は暴風域も伴わない弱い台風だった。テレビの気象番組などでは解説者が大雨の可能性に言及したが、気象庁の事前会見などはなく、14号のときに比べ緊迫感に欠けていた。

実際には15号は東側に大量の水蒸気を伴い、東海地方で雲が発達した。静岡県で線状降水帯が発生し、24日朝までの24時間降水量が400ミリを超えるなど観測史上最多を記録したところもある。

東海道新幹線の運休により、連休中の多くの旅行客が足止めされた。河川の氾濫で水道施設の取水口に土砂や流木が詰まるなどして、静岡市で数万世帯が断水し復旧に時間がかかっている。

気象庁は台風接近時に、強さにとらわれずに早めのタイミングで警戒を呼びかける方法を検討してはどうか。事前説明や会見の基準などは柔軟な運用が必要だ。

強大な台風14号が去ってひと安心し、情報の受け手にも油断が生じていた可能性がある。専門家や気象情報会社の力を借り、心理的な側面を考慮して行動変容を促すといった試みも考えられる。

気象庁などは「防災気象情報に関する検討会」を設け、情報の定義や分類の見直しまで幅広く検討中だ。2023年度内のとりまとめを目指すが、その間にも災害は起きうる。効果的な情報提供へ、随時改善を実行してほしい。

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