コマツ特別顧問 野路國夫(3)母と2人
生家売却、間借り生活に 現実あるがまま日々淡々と
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小学2年生の時に父を亡くしたのに続き、小5の時にはもう一つの試練が訪れた。大阪に出て独り立ちしていた一番上の兄が商売に失敗し、その借金を肩代わりするために、母が私たちの住んでいた一軒家を売却したのだ。
私の生家は大きな屋敷ではなかったが、福井市の中心部の便利な場所にあり、家の一部を下宿人に貸し出してわずかながら不動産収入もあった。それを手放さざるを得なくなったのだ。既に他の兄姉は成人して家を出て...

建設機械では世界二大メーカーのうちの一つ、コマツの野路國夫特別顧問は1969年に入社し、最初に配属されたのは建機の試作機を運転して耐久性などを確認する実験部でした。一日中、泥や砂ぼこりにまみれてブルドーザーなどを動かす毎日、若き野路さんはどのようにして自分の進路を切りひらいていったのでしょうか。2007~13年の社長時代にはリーマン・ショックや東日本大震災、超円高など過去に例の無い試練に再三見舞われます。どのようにしてコマツを世界的な優良企業に導いたのか、企業の危機管理という面からも読みどころ満載の連載です。
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