春秋(5月26日)
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旧ソ連にトロフィム・ルイセンコという農学者がいた。1934年、種を低温処理する「春化」によって小麦の収穫量が上がり、秋まき小麦を春まき小麦に変えられるとの学説を、自ら編集する学術誌に発表した。科学史上最悪のねつ造とされるルイセンコ事件である。
▼メンデルの法則に従えば後天的に獲得した形質は遺伝しない。学説は当初、国内でも非科学的とされたが、スターリンが支持し状況は一変する。ルイセンコは農業科学ア...
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