春秋(8月24日)
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小学生時代の記憶というから、1920年代前半のころだろう。写真家の笹本恒子さんが朝、外に出ると、「戦争反対」と書いた赤い紙が垣根にべたべた貼ってある。一枚はがして母に見せると、こう言われた。「みんなはがして捨てなさい。主義者のしたことだから」
▼大人は「社会主義者は怖い、悪い」と決めつける。戦争こそ人殺しで悪いことだ。それなのになぜ戦争に反対する彼らが悪いのか。人生はじめての疑問はいつまでも頭に...
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