春秋(1月24日)
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「君には文才がある。執筆活動に力を入れてみたら?」「写真もうまかったね。そっち方面はどうかな」。ピアニストの舘野泉さんが脳出血で倒れ、右半身不随になったとき、友人たちはこんな言葉をかけて励ました。ピアノは、もう弾けない。そう思っていたからだ。
▼「ピアノは2本の手で弾くもの」。舘野さん自身も目に見えない枷(かせ)にとらわれていたと著書「命の響」で回想している。2年後、67歳で左手のピアニストとし...
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