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逆風下のIPO、慎重「値付け」でプラス面も

インドネシアGoTo、事業モデル評価されるか

インドネシア最大のインターネット新興企業であるGoTo(ゴートゥー)が4月4日、インドネシア証券取引所に上場する。株式市場、特に新興国のテック株にはリスクオフの逆風が吹く。そういう局面での新規株式公開(IPO)では「値付け」が慎重になされるはずだ。上場後に株価が上がれば市場での評価も上がり、「災い転じて福となす」可能性もある。

ゴートゥーは昨秋まで、最大で400億ドル(約4兆8200億円)程度のバリュエーション(企業価値評価)でのIPOを目指していた。しかし先週発表した公募条件によると評価額は最大で288億ドルと、半年の間に大きく下方修正したことが分かる。それでも市場には「過大評価」との声がくすぶる。

IPOの値付けはその後の市場での「ブランドイメージ」を左右する。初値をその後の株価が上回れない「初値天井」に陥ると、ネガティブイメージが投資家の頭に刷り込まれる。

逆に抑えめの株価で上場すると「優良銘柄」のイメージを築ける例が多い。2004年夏、テック株相場が崩れていた局面で上場に踏み切った米グーグルは上場直前に募集条件の上限を3割も下げざるを得なかった。結果的に株価は上場から1カ月で4割も上げ、すっかり人気株になった。

このところアジアでは初値天井が目に付く。21年11月にインド史上最大のIPOを実施したモバイル決済Paytm(ペイティーエム)の運営会社の株価は初値から7割も下げた。

ゴートゥーのライバルであるシンガポールの配車アプリ、グラブは400億ドル弱の評価額で12月、米ナスダック市場に上場した。株価は上場初日に2割下げ、3月21日終値は上場直前比64%安だ。時価総額は150億ドルを割り込んだ。

両社に共通するのは、いつ利益を出せるのか、投資家が不安を募らせていることだ。ペイティーエムもグラブも21年10~12月期は最終赤字で、その幅は前年同期より広がった。

ゴートゥーも赤字脱却の見通しはまだ立っていない。ただ、業態が似ているグラブが売上高の5倍の最終赤字を出しているのに対しゴートゥーは2.5~3倍程度と、相対的には黒字化に近い位置にいるとみることもできる。

ゴートゥーはグラブより売上高が小さい。それでも足元のグラブの時価総額を大きく上回る評価額でのIPOを目指すことになった。成否は投資家が事業モデルの有効性をどこまで評価してくれるかにかかる。果たして予定通りIPOを完結できるのか、直前まで予断を許さない。

(編集委員 小柳建彦)

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