防衛相、与那国の部隊視察 台湾情勢巡り意見交換
(更新)

浜田靖一防衛相は21日、日本最西端の沖縄県・与那国島を訪れ、中国軍の艦艇や航空機などの動きをレーダーで監視している陸上自衛隊部隊を視察した。島から約110キロの距離にある台湾と中国の緊迫した情勢について部隊幹部から報告を受け、意見交換した。
記者団に「部隊配置はわが国への攻撃を抑止する効果を高める。南西諸島の防衛体制を目に見える形で強化したい」と表明した。
2023年度、電磁波で相手の通信やレーダーを妨害する「電子戦部隊」を陸自与那国駐屯地へ配備するほか、22年度中に沖縄県・石垣島に陸自のミサイル部隊を置く方針を強調した。
隊員らには「わが国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増している。多くの離島を抱えるわが国にとって島しょ部の守りは極めて重要だ」と訓示し激励。最西端の岬・西崎も訪れ、天候が良ければ台湾が目視でき、付近を中国やロシアの艦艇が通過していると説明を受けた。島に大型船が接岸できる港がないといった課題も聞き取った。
与那国島は中国海警局の船が領海侵入を繰り返す尖閣諸島にも近い。監視部隊は南西防衛強化の一環で2016年に発足した。〔共同〕