春秋(8月23日)
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1969年公開の映画「新宿泥棒日記」は、大島渚監督が当時のサブカルチャーで全編を彩った問題作だ。舞台はすべて東京・新宿の雑踏や書店やアングラ演劇のテントの中である。半世紀後のいま鑑賞すると、新宿という街がいかにとんがった存在だったかがわかる。
▼フーテン族のたむろする東口も混沌としていたが、西口もエネルギーに満ちていた。反戦フォークゲリラが歌声を響かせた地下広場の設計は坂倉準三である。小田急百貨...
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