春秋(1月20日)
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開高健が残したルポルタージュのひとつに「日本人の遊び場」がある。1963年の夏、作家は高度成長に沸く列島のあちこちを飛び回り、大阪・道頓堀の「くいだおれ」、若者で埋まる湘南の海水浴場、人いきれの充満する船橋ヘルスセンターなどの表情を活写した。
▼「週刊朝日」に連載された作品は、いま読んでもイキがよい。毎週、疾走感あふれるルポを書くのは大変だったはずだが、読者と熱気をともにしながら筆を走らせたのだ...
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