「一瞬の産油国」カンボジアが握る巨大資源の命運
アジア総局長 高橋徹
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東南アジア諸国連合(ASEAN)で8番目の産油国になる夢は、半年足らずでしぼんでしまった。
6月4日、カンボジアのシアヌークビル沖の海底油田「アプサラ鉱区」で操業するシンガポールのクリスエナジーが、会社清算を申し立てたと表明した。昨年12月29日に生産を始めたものの、産出量が当初見込みの日量7500バレルの半分以下にとどまり、全社的な資金繰りに行き詰まったという。
フン・セン首相の落胆は大きかっ...

経済が成長し目まぐるしく変化するアジアの国々。米国と中国の超大国同士の貿易摩擦が激しくなる中、その狭間に位置するアジアにも余波が及んできた。現地の政治・経済の今を切り取る。