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[社説]旧統一教会への調査を確実に

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)をめぐる問題で、政府が教団への調査に乗り出すことを決めた。宗教法人法に規定された「質問権」を使い、組織的な違法行為の有無などを確認する方針だ。

質問権は宗教法人に対する解散命令請求の前段階の手続きと位置づけられ、過去に適用例はない。形式的な調査でなく、教団の運営実態や勧誘・寄付の構造的な問題点を確実に洗い出すべきだ。

政府はこれまで教団への調査に慎重だったが、消費者庁の有識者検討会が「社会的に看過できない深刻な問題が指摘されている」と質問権の行使を提言。岸田文雄首相が手続きを進めるよう指示した。教団をめぐっては今も被害を訴える人が後を絶たない。スピード感をもって対応してほしい。

消費者庁の検討会はこのほか、霊感商法などでの寄付行為を後で取り消すことができるような法整備が必要だと提言した。

政府が先月開設した電話窓口には「家族が1億円を超す献金をして自己破産した」といった訴えが寄せられた。本人の意思による寄付であっても、家族らが経済的損失を被るケースもある。実効性のある救済策が急務だ。

制度改正を待たずとも、日本司法支援センター(法テラス)や消費生活センターなどの相談体制を充実させることはできる。親の信仰により悪影響を受ける「宗教2世」の支えも欠かせない。犯罪にあたる行為が確認できれば警察も摘発をためらうべきではない。

信教の自由が大切な権利であることは明らかだ。だからといって、人権をないがしろにする行為を放置していいはずがない。宗教法人に関するルールはどうあるべきか。あらためて議論することを検討してもいいのではないか。

自民党は9月に旧統一教会と所属する国会議員の接点に関する調査結果を発表したが、その後も教団側との接点が次々に明らかになっている。国民の疑念を招かないためには、事実の解明と関係の是正に全力で取り組む必要がある。

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