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[社説]増えた税収のバラマキは禁物

2021年度の国の一般会計決算で、税収が67兆円と前年度から約10%増え、2年連続で過去最高を更新した。悪化した財政状況の改善につながるが、歳出を膨らませる圧力も強い。税収増をバラマキ的な政策に充てるのは禁物だ。

21年度は国の「基幹3税」が軒並み伸びた。新型コロナウイルスの影響は残るものの、世界景気の復調や行動制限の解除、円安による収益改善で法人税収が21%の大幅増収となった。所得税も給与所得や配当の増加で11%増えた。

消費税収は前年度より4%増えて21兆8800億円と、所得税を引き続き上回り最大の税源となった。年度の後半に資源や食品などの価格が上昇したため、それに伴って税収が増えた面もある。

毎年度、多額の国債を発行してやりくりを続ける国の財政にとって、収入の増加はプラス要因だ。だが今回の税収増は、力強い経済成長で賃上げが進み、家計が増えた所得で消費を拡大するという好循環の産物とはいえない。岸田文雄政権には規制改革などで経済の活力を高め、賃上げを伴う成長を定着させる政策運営を望みたい。

一方で国の支出も大幅に伸びている。一般会計の歳出額は当初予算の107兆円から、コロナ対策や岸田政権が実施した経済対策の影響で142兆円に膨れ上がった。税収の2倍を超える。

予算に計上したのに使わなかったり、執行を22年度に繰り越したりした「使い残し」が21年度は28兆円に達した。コロナの感染状況が不透明だった事情はあるが、規模ありきの発想を改めるべきだ。

税収増を今後の経済対策の規模を膨らませる財源に充てようとする思惑もあるが、適切ではない。物価高の国民生活への影響に目配りは必要だが、デフレ時とは状況が違う。財政出動で大幅に需要を追加すれば、物価をさらに押し上げ、逆効果となる懸念もある。

日本は国内総生産(GDP)の2倍を超す長期政府債務を抱える。税収増はできるだけ財政の改善に充てる姿勢を堅持すべきだ。

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