春秋(12月16日)
[有料会員限定]
その昔、中国に杜黙(ともく)という詩人がいた。この人の作品は音律に合わないことが多く、とても評判が悪かったらしい。それで杜の撰(詩文づくり)のような、いい加減な仕事を「杜撰」と言うようになったそうだ。しばしば新聞の見出しにもなる「ずさん」の語源である。
▼詩人の名は「杜」姓の別人という説もあって判然としない。いずれにせよ、熟語となってはるか後世にまで伝わるのだからデタラメぶりは際立っていたのだろ...
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。
残り367文字