/

[社説]プラス基調に内需の後押しを

3四半期連続のプラス成長とはいえ、力強さには欠ける。内需面の一段の後押しが求められる。

2022年4~6月期の実質国内総生産(GDP)速報値は季節調整済みの前期比で2.2%増だった。前の1~3月期もプラスに改定され、3期連続の増加だ。

新型コロナウイルス禍で首都圏などに出たまん延防止等重点措置の解除と重なり、行動制限がなくなって個人消費が伸びた。企業の設備投資も拡大した。GDP増加のほぼすべてが内需の寄与だ。

同じ時期に米国は2期連続のマイナス、中国経済もゼロに近い成長だった。日本のプラスが目立つが、成長は盤石とはいえない。

GDPに海外との所得の出入りを加味した実質国民総所得(GNI)は4~6月期もマイナスだ。ロシアのウクライナ侵攻などでエネルギーや穀物の価格が上がり、国内の所得が海外に流出した。

不透明感も強い。インフレ退治を優先する米欧の大幅な金利引き上げ、ゼロコロナ政策などによる中国経済の減速で、世界景気の後退懸念が増す。値上げで国内の消費心理も冷えかねない。

内需の押し上げでカギを握るのが、企業の設備投資である。

日本政策投資銀行の調査で、大企業の22年度の設備投資計画は26.8%増とほぼ50年ぶりの高い伸びだ。日銀や日本経済新聞社の調査でも増加の傾向がみられる。

実績値は計画を下回る傾向もあり、額面通りには受け取れないが、デジタル化や脱炭素などで戦略的な投資の動きが起きている。

22年度の年次経済財政報告(経済財政白書)は企業が利益を貯蓄に回す傾向がなお強く、投資の喚起で成長力を高めるよう指摘した。課題を好機に変える発想で設備投資に取り組んでほしい。

内需の柱である個人消費の勢いを保つには積極的な賃上げが不可欠だ。政府も環境整備を進めてほしい。統計上は外需となるが、円安を生かすインバウンド消費の拡大も課題だ。外国人の潜在的な観光需要を着実に取り込みたい。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連企業・業界

企業:

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン