古賀信行 私の履歴書(6)早坂先生
野村ホールディングス名誉顧問
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高校1年生の時に担任をしてくださったのが、早坂正隆さんという国語の先生だった。確か30歳ちょっとの文学青年風。授業で中原中也の詩の読み方を教えていただいたのが記憶に残る。
仙台の出身だが、なぜか鹿児島で教えているという不思議な方だった。学校にラグビー部をつくり、その顧問もなさっていた。
私はラグビーをしていないが、忘れられない恩師を挙げよと言われれば、間違いなく早坂先生だ。今日はその思い出を書く...

世界的にも有名な大手証券グループのトップを長年勤めた古賀信行さんは、激動の金融市場を乗り切ってきました。経団連など金融・証券業界にとどまらない財界活動で新型コロナ禍に苦しむ日本経済の再生にも取り組みました。炭鉱の街、福岡県大牟田市で生まれ育ち、幼少期に激しい労働争議や炭鉱爆発事故を目の当たりにします。鹿児島市のラ・サール高校から東大に入学。就職した野村証券では人事や経営企画といった黒子役のほか、株式や債券の引き受けを経験して社内外に人脈を築きます。バランス感覚と広い知見はバブル経済崩壊後に野村証券が市場での地位を固めるのに欠かせないものでした。