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[社説]「希望する子ども数」の大幅減に危機感を

若い世代の結婚や出産への意欲が大きく低下している。国立社会保障・人口問題研究所の2021年「出生動向基本調査」によると、未婚の男女(18~34歳)のうち「いずれ結婚するつもり」という人は、男性で81.4%、女性が84.3%と、過去最低になった。

結婚意向のある女性が希望する子ども数の平均も、15年の前回から0.23人も減少し、1.79人と初めて2を割り込んだ。男性も1.82人と、やはり減っている。

新型コロナウイルス禍による先行き不安が、若者の心理に影響したのは確かだ。ただ未婚化や少子化の傾向はコロナ前から明白だった。このままでは少子化が想定以上に加速する。危機感を持って対処する必要がある。

家族を持つかどうかはもちろん個人の選択だが、若者を後ろ向きにさせる環境要因を取り除くのは、政府や企業の責務である。

まずは若い世代の就業支援が求められる。収入が不安定では、結婚や出産には踏みだしにくい。職業能力を伸ばす機会を増やし、非正規雇用から正規雇用への転換や、成長業種への転職などを後押ししたい。生産性向上を通じた企業の着実な賃上げも欠かせない。

未婚者が理想とする女性の生活設計として、仕事と子育ての「両立」という回答が男女ともに初めて最多になった。男性が女性に経済力を期待する傾向も強まっている。男女ともに、仕事と子育てを担いやすくすることが大切だ。

長時間労働の是正や、時間・場所にとらわれない柔軟な働き方の拡充などがカギになる。男性の育休などにより、女性に偏った家事・育児分担を見直すことも重要だ。父親が育児に関わることは子どもにもプラスだ。働き方と意識の改革を急ぎたい。

第1子出産後の女性の就業継続率は今回、7割にまで上昇した。保育の拡充や育児休業制度などが寄与したようだ。ただ派遣やパートではなお出産離職が6割を占める。仕事か出産かの二者択一を迫られることのないよう、育児休業の適用拡大なども課題になる。

いま親になる世代は長年にわたる少子化でそもそも人数が少ない。未婚率の上昇と夫婦が持つ子どもの数の減少も重なり、21年の出生数は約81万人にまで減った。

若い世代が将来に明るい展望を持ち、人生設計に関する自分の希望をかなえられるよう、あらゆる手を打たねばならない。

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