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東南アジアでもユニコーン急増 インドを追走

旺盛なVC投資、国際化後押し

東南アジアでユニコーン(企業価値評価額が10億ドル=約1100億円=以上の未公開企業)が増えている。インターネットの浸透や中国の民間企業締め付けなど、この地域に投資マネーを向かわせる追い風が背景にある。

アジアのスタートアップ動向を報じるディールストリートアジアによると、2021年は10月11日までに東南アジアのスタートアップ18社がユニコーンに「昇格」した。大企業グループ傘下を除く独立系に限れば15社が昇格した。

東南アジアにユニコーン第1号が13年に登場してから20年までの全合計が19社だったのに比べて急激な伸びだ。上場などによる卒業組を除いた11日現在の独立系ユニコーンは東南アジア合計で27社となった。シンガポールとインドネシアに多いが、タイとベトナムでも育ってきた。今年だけで新たに30社のユニコーンが生まれて合計数が50社を超えたインドを追走し、10社の日本に水をあけた。

旺盛なベンチャーキャピタル(VC)投資が支えている。21年1~9月に東南アジアの未公開企業がVCなどから調達した資金は172億ドルで、すでに20年通年の85億ドルの2倍を超えた。資金調達の件数と金額がともに増えている。起業そのものが増えているうえ、企業価値評価額が草創期から高くなっている。

ネット経済が離陸期に入っている。21年末の地域全体のネット普及率は人口の8割に達する見込みで19年末の6割から一気に上がる。今年、ネット経由でモノやサービスを購入する消費者の数は3億5千万人に達し、1億5千万人前後とみられるインドを上回る。新型コロナウイルス禍がネットの普及を加速させた。

消費者だけでなく、零細・中小企業が情報収集からモノ・サービスの売買、取引先管理まであらゆる業務をデジタル化する動きも加速中だ。そんなニーズをくみ取った企業向けサービスのスタートアップが続々生まれ育っている。

国際的VCの投資を受けて経営戦略が進化し、企業価値が上がる現象も起きているようだ。アーリーステージ企業に投資するソフトバンク・ベンチャーズ・アジアのJP・リー最高経営責任者は、「グローバル展開する東南アジアのスタートアップが増えてきた」と指摘する。

中国で「資本の無秩序な拡大防止」と「共同富裕」という、起業家の成功を妨げかねない政策が打ち出され、世界のVCや投資ファンドが中国投資に慎重になりつつある。投資家に後押しされた東南アジアの新興企業の世界展開がますます広がりそうだ。

(編集委員 小柳建彦)

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