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[社説]改造内閣は改革の具体化と実行を急げ

第2次岸田改造内閣が10日に始動した。経験や専門性を重視した手堅い布陣といえる。重要な政策分野では前例踏襲や既得権の壁に阻まれることなく、改革を大胆に前に進めてほしい。

改造人事は林芳正外相、鈴木俊一財務相、松野博一官房長官ら内閣の骨格を維持しつつ、これから重点政策の取りまとめに当たる閣僚を大幅に入れ替えた。

経済産業相に西村康稔氏、経済安全保障相に高市早苗氏、デジタル相に河野太郎氏を起用した。エネルギー・環境問題や戦略物資の確保、デジタルトランスフォーメーション(DX)など重点分野の取り組みを加速する狙いだ。

新型コロナウイルスをはじめ新たな感染症の危機管理や全世代型社会保障の制度設計を担う厚生労働相に加藤勝信氏、防衛力の抜本強化や国家安全保障戦略などの改定を進める防衛相に浜田靖一氏という経験者を充てた。

岸田文雄首相は10日夕の記者会見で今回の人事の狙いについて「政策断行内閣として、山積する課題に対し経験と実力を兼ね備えた閣僚を起用した」と強調した。

内政では物価高やエネルギーの安定供給などの課題に直面し、安全保障環境も厳しさを増している。経験重視の布陣は過去の延長線上の行政に陥る懸念をはらむ。首相は改革の具体化と実行に指導力を発揮してもらいたい。

昨年の衆院選と今年の参院選で与党が勝利し、岸田政権の基盤は安定した。一方で看板政策「新しい資本主義」の具体化は遅れ、経済再生への道筋はかすんでいる。労働移動の円滑化、スタートアップ育成、貯蓄から投資へ、DXといった成長戦略をテコ入れし、国民の将来不安を払拭する社会保障改革にも取り組む必要がある。

ロシアによるウクライナ侵攻や中国の台湾周辺での威圧的行動などで国際情勢が緊張している。関係閣僚は緊密に連携し、国家的な戦略づくりを急いでほしい。

首相は記者会見で宗教団体の世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係にも触れ、「閣僚に対しては当該団体との関係を点検し、その結果を踏まえて厳正に見直すことを厳命し、了解した者のみを任命した」と説明した。

同団体の選挙支援やパーティー券購入といった政治への関与が国民の不信を招いている。自民党は所属議員らの調査を徹底し、関係を早期に是正する責任がある。

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