テニスが暴く中国長老の規律問題 習近平氏が及び腰の裏
編集委員 中沢克二
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「トーナメントをボイコットする」。女性の権利を掲げて独自に女子テニス協会(WTA)を立ち上げた往年の名選手、ビリー・ジーン・キングが啖呵(たんか)を切った。当時、8倍もあった男女の賞金格差を非難しながら独立を宣言するシーンは、映画「バトル·オブ·ザ・セクシーズ」の見せ場である。
1970年代前半、男性優位だったアメリカの社会問題に果敢に切り込んだWTAは半世紀を経た今、中国と真正面から向き合って...

経済や安全保障面で米国の一極支配を打破しようとする中国の習近平政権の中枢で何が起きているのか。習国家主席による腐敗撲滅政策の狙いなどを的確に報じ、「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞した中沢克二・日本経済新聞編集委員(元中国総局長)が深掘りする。