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[社説]子育ての希望がかなう社会へ道筋を語れ

22参議院選挙

日本人の出生数が過去最少の約81万人に落ち込み、婚姻件数も急減するさなかの参院選だ。若い世代の出産・子育てへの希望を後押しする政策が急務となる。各党はもっと危機意識を持ち、具体的な道筋を語ってほしい。

公約で多くの党が強調するのは経済面の支援だ。自民党は「大胆な児童手当や育児給付の拡充」を掲げる。立憲民主党は児童手当の所得制限の撤廃と高校卒業年次までの延長・増額をうたった。「実質的な出産費用の無償化と教育の完全無償化」(日本維新の会)など、出産、教育費の負担軽減も多くの党があげる。

ただ、支援拡充の公約は今までも選挙のたびに繰り返されてきた。大事なのは実効性だが、子ども政策の財源については踏み込みが足りない。

「将来的には予算の倍増を目指す」(自民党)、「国内総生産比3%台」(立憲民主党)などとしているが、本当に実現できるのか。ここ10年ほど児童手当制度をめぐる見直しが相次いだのも、財源不足が大きな要因だ。選挙戦を通じて議論を深めてほしい。

仕事と子育てを両立しやすくすることも重要だ。多くの党が男性の育児休業の促進をあげ、非正規社員でも育休を利用しやすくするなどの主張も目立つ。公明党は「短時間勤務制度」を3歳になるまでから就学前まで引き上げることを検討するとした。

子育ての期間は長く続く。働き方の見直しと両立支援策とが伴わなければ、効果も薄れよう。先進国のなかで著しく女性に偏っている家事・育児負担を是正していくことも欠かせない。

気になるのは、子育て支援の公約が多くある一方、その手前で戸惑っている若者への支援が見えにくいことだ。少子化の最大の要因は未婚化だ。50歳時未婚率は2020年、男性で28.3%、女性17.8%まで上昇した。結婚するしないはもちろん個人の選択だが、非正規の増加などで経済基盤が安定せず、希望がかなわない人も多くいる。就労支援や非正規の処遇改善などを少子化対策として正面から位置付ける必要がある。

いまの少子化と子育てのしにくさは、長年の政策の不十分さの反映でもある。自分の未来にかかわる政策を、若い世代はしっかり吟味し、投票してほしい。

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