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[社説]「貯蓄から投資へ」を促す具体策示せ

22参議院選挙

「貯蓄から投資へ」を初めて政府方針に掲げたのは小泉純一郎政権だ。それから20年余りを経たが、個人金融資産の約半分を占める預貯金の比率はほとんど変わっていない。各党は参院選で、投資がより身近な存在になるための具体策を示してほしい。

格差研究の第一人者である米経済学者のブランコ・ミラノビッチ氏は「中間層と金持ちが受け取る収益を平等にしたいなら、株や債券を持つよう中間層に促す必要がある」と述べている。

野党の一部は投資促進が資産家優遇につながると批判しているが、だれにとっても資産形成は老後への備えとして重要だ。国民のお金が投資を通じて企業の成長を支える循環ができれば、株高の恩恵が幅広い層に広がり、格差拡大にも歯止めがかかるであろう。

すでに受け皿はできている。少額投資非課税制度(NISA)と個人型確定拠出年金(iDeCo)の2つだ。利用者はNISAが1800万、iDeCoが250万にとどまる。制度の使い勝手を高め、普及を加速させたい。

NISAの拡充は自民党や公明党のほか、立憲民主党や国民民主党も公約に盛り込んだ。いずれもそれ以上の具体策が明確になっておらず、議論も深まらない。

長期投資を促すため、2014年に時限措置で始まったNISAは恒久化が必須だ。あわせて、上限額も引き上げるのが妥当だ。

日本証券業協会の調査で52%の人が「NISAの名前は知っているが、制度の内容はよく分からない」と答えており、国民の理解を深める取り組みが欠かせない。

NISAは「一般」と「つみたて」の2種類があり、前者は24年に積み立て投資も組み入れた「2階建て」に衣替えする。複雑な設計が利用を妨げており、簡素な仕組みにつくりかえるべきだ。

多くの人にとって、知識不足が投資に踏み出せない理由になっている。学校教育で投資の重要性や注意点を教え、国民の金融リテラシーを底上げしていきたい。

最近は個人投資家のお金が米国株など海外に向かう傾向が強まっている。投資が普及しても日本株市場は空洞化しかねず、企業の魅力を高める取り組みが急務だ。経営者は企業統治改革のピッチを上げ、株主などの声を反映しながら企業価値を高めてほしい。

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