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[社説]中国は国連ウイグル報告に向き合え

世界各地の人権状況を監視する国連機関が、中国・新疆ウイグル自治区での人権侵害を公に認定した。恣意的な拘束を受けているすべての人を解放し、早急に行方不明者の所在を確認するよう勧告している。中国政府は、指摘された事実に真摯に向き合い、改善を図るべきだ。

国連人権高等弁務官事務所は、同自治区をめぐる報告書で、大規模な強制収容、拷問といった迫害の存在を指摘した。収容所の実態は、中国政府が主張する「教育施設」とは明らかに異なる。

収容経験者への聞き取りによれば、自由に退所した者はなく、武装した人物が常駐し、自らの言語を話すことや、信じる宗教上の行為は禁じられた。愛国的な歌の強制もあった。

指摘された長時間の独房監禁、警棒での殴打は、許されるものでない。テロ対策の名の下、実施されたウイグル族らへの差別的な政策や法律の撤廃は急務である。

バチェレ国連人権高等弁務官は5月に現地を視察したが、中国側から行動を制限され、十分な調査ができなかった。中国などからの圧力で報告書が出る時期は遅れ、8月末のバチェレ氏の退任ギリギリでの発表となった。

2018年、国連人種差別撤廃委員会は、推定で数万人から100万人以上が拘束されたという報告を受けたとして、懸念を示していた。今回の報告書発表まで4年を要したとはいえ、中国に改善を迫る根拠がようやく整った。

中国は報告書について「米国と西側勢力が画策し、作り上げたもので無効だ。偽情報のごった煮である」と反発している。そう言い切るなら国連のみならず、国際的な第三者機関による自由な現地調査を積極的に受け入れるべきだ。それなくして説得力はない。

報告書は各国の経済界にも人権尊重の責任を果たすよう求めている。もはや現地情報の欠乏、不確かさを口実に対応を先送りすることはできない。日本の企業も人権意識を徹底する必要がある。

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