日中50年が暴く権力闘争、習氏悩ます「ダブル李」の処遇
編集委員 中沢克二
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命懸けだった50年前の日中交渉が暴き出す中国の激しく、そして陰惨な権力闘争。それは国家主席の習近平(シー・ジンピン)を主役として16日から開かれる中国共産党大会の闘いの構図にもすっかり当てはまる。
1972年9月29日、中国·北京での日中共同声明署名に立ち会った生き証人が、上海がカギを握っていた共産党内の激しい権力闘争の一端を明かした。証言者は決死の覚悟で訪中した当時の首相、田中角栄の脇にいた首...

経済や安全保障面で米国の一極支配を打破しようとする中国の習近平政権の中枢で何が起きているのか。習国家主席による腐敗撲滅政策の狙いなどを的確に報じ、「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞した中沢克二・日本経済新聞編集委員(元中国総局長)が深掘りする。