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[社説]持続的な所得向上の環境づくりで競え

22参議院選挙

物価高とともに伸び悩む賃金への不満が高まっている。働く人々の所得が持続的に上がる環境づくりは政府の重要な役割である。各党は参院選で道筋を示すべきだ。

主要各党は最低賃金の引き上げを公約に掲げる。働き手の生活を支援する意義は大きい。ただ政府の過度な介入は賃金決定の市場メカニズムを損なう懸念もある。

政府に求められるのは、産業の新陳代謝と労働市場の流動化を促すことだ。生産性を高め、成長分野へ労働移動を進めることで所得向上の流れをつくりたい。その点で各党の政策は物足りない。

象徴的なのは雇用調整助成金への対応だ。新型コロナウイルス下で拡充した特例措置を複数の党は継続するという。飲食業でも人手不足が目立ち始めた。雇調金は労働移動を妨げる副作用があり、見直しを議論すべきだ。

生産性の向上や円滑な労働移動のためには、働き手の能力開発が欠かせない。国民民主党など複数の党が学び直しの支援を掲げる。知りたいのはその中身だ。日本維新の会は公的職業訓練の見直し、自民党はハローワークの機能強化を挙げるが、抜本的な改革策を示して議論を交わしてほしい。

「解雇の金銭解決制度」については維新が実現を目指すのに対し、立憲民主党などは反対を唱える。不当な解雇にあった労働者を金銭補償で救う仕組みは重要であり、会社側の悪用を防ぐ手立ても含めて議論を深める必要がある。

日本は他の先進国に比べ、女性の管理職比率が低く、賃金の男女格差も大きい。女性が十分に力を発揮できる環境整備は急務だ。

自民は「女性の経済的自立」を掲げ、賃金格差の是正などを進めるという。他の党も正規・非正規の待遇格差の解消や正社員化を重視する。ただ、いずれも具体的な道のりはあまり示していない。

今の税・社会保障制度は、女性の就労を抑える大きな要因になっている。担い手を増やす改革は急務だが、これについてもあいまいな表現が目立つ。

希望すれば結婚前の姓を使える選択的夫婦別姓制度は、公明や立民などが公約に明記する。維新は、旧姓使用にも一般的な法的効力を与える制度の創設を掲げた。仕事や暮らしで支障を感じる人は多い。正面から議論すべきだ。

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