/

[社説]資源高での景況悪化に警戒を

日銀が1日発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は前回の3月調査から5ポイント悪化し、プラス9となった。原材料費の高止まりと中国のロックダウン(都市封鎖)が主因で、2四半期連続の悪化だ。

グローバルな資源高や供給制約そのものに打つ手は限られる。目先の打撃を和らげるきめ細かな対応とともに、中長期の成長に向けた道筋を示すことが大事だ。

大企業製造業のDIは事前予想(プラス12)も下回った。中国の都市封鎖で生産や物流が滞った自動車や生産機械、原材料高が響いた素材関連の悪化が目立った。

3カ月後の先行きの業況判断DIは大企業製造業でプラス10と、小幅の改善を見込む。供給制約の影響が緩和するとの見方だ。

大企業非製造業のDIはプラス13と2期ぶりに改善した。3月下旬のまん延防止等重点措置の解除で、対個人サービスや宿泊・飲食サービスが改善した。

企業は原材料高を販売価格に転嫁しつつある。販売価格が「上昇」との回答から「下落」の割合を引いた「販売価格判断DI」は大企業製造業で10ポイント上昇のプラス34と42年ぶりの高水準だった。ただ仕入れ価格の上昇が先行しており採算面では厳しさが残る。

今後、企業が採算改善を狙ってさらに価格転嫁を進めれば消費に水を浴びせかねない。カギになるのは賃上げとのバランスだ。

賃上げで家計の実質所得と消費を底上げできれば、日銀がめざす物価と賃金上昇の好循環が期待できる。企業が原材料高のもとで賃上げ原資を確保するには、省力化に向けた投資などが不可欠だ。

目先、政府・日銀は資源高の影響に目をこらし、打撃が深刻な先には的を絞った対応も必要になろう。同時に企業が賃上げや前向きな投資に踏み切れるよう人材面、規制面などで環境整備を加速させる必要がある。資源高という試練を経済の耐性強化につなげる前向きな発想がほしい。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連企業・業界

企業:

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン