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米ツアーで苦戦続きのミケルソン 次に繰り出す一手は

ゴルフジャーナリスト ジム・マッケイブ

昨年5月、米サウスカロライナ州のキアワ・リゾートで行われた全米プロゴルフ選手権を制したフィル・ミケルソン(米国)。まだそのイメージが強いため、今年52歳になる彼は今も健在――と見られているかもしれないが、さすがにこのところ、衰えを隠せなくなっている。チャンピオンズツアー(米シニアツアー)では6戦4勝と圧倒しているものの、米ツアーではこのところ苦戦続きだ。

・ 全米プロ選手権を制した後、12試合に出場。計37ラウンドのスコアは、5オーバーである。また、順位も世界ゴルフ選手権(フェデックス・セントジュード招待)の17位タイが最高。60位以内に入れない試合が4回もある。

・ 昨季、トップ10に入ったのは、勝った全米プロ選手権だけ。

・ その昨季は23試合に出場し、予選落ちが9回。トップ25に入ったのは4回だけ。

・ 1月20日からカリフォルニア州のパームスプリングスで行われたアメリカン・エキスプレスでは大会ホストを務めたものの、決勝ラウンドには進めず、翌週のファーマーズ・インシュランスオープンでも予選通過できなかった。

これではミケルソンが、アジアツアーを足がかりとした新ツアー結成を目指すグレグ・ノーマン(オーストラリア)の誘いに乗るのも理解できる。新ツアー構想によれば、結果とは別に多額の報酬が保証される見込み。残念ながら、もはや米ツアーでは稼げなくなっている彼ほど、ノーマンのツアー実現を望んでいる選手はいないかもしれない。

もちろんこれまで、彼は数々のネガティブな視線を跳ね返してきた。1992年にプロとなってから、最初の12シーズンは4大大会でまるで勝てなかった。メンタルが弱く、ビッグトーナメントでは勝てないとやゆされたが、2004年のマスターズ・トーナメントでメジャー初優勝を果たすと、その後のメジャー8戦でさらに2勝をマーク。昨年の全米プロゴルフ選手権を制したことで、その数を「6」まで積み上げた。通算6勝は歴代12位。あと1勝で、故アーノルド・パーマー(米国)らに肩を並べる。

以前は限界説を一蹴してきたが

04年と06年のライダーカップ(2年に1度開催される米国と欧州との団体対抗戦)では、計1.5ポイントしか挙げられず、戦犯の一人とされたが、近年では彼が先頭になってチーム改革を訴えた結果、米国選抜が過去3戦で2勝している。14年から17年まで81試合に出場し、未勝利。もう、年齢的にも限界かとみられたが、その後、47才、48才、そして50才のときにそれぞれ優勝し、限界説を一蹴した。

そう、彼は疑われる度に、結果を示してきたのである。ただ、さすがに今回は、いくら彼であっても、20才以上年の離れた選手たちの勢いのあるゴルフにはもはや太刀打ちできないのではないか。

現在、40才以上の選手で、世界ランキングで30位以内に入っているのは、27位のポール・ケーシー(英国、44)のみ。40位以内ではミケルソンが38位で、41歳のジャスティン・ローズ(英国)が39位。ミケルソンの38位は、全米プロゴルフ選手権の勝利の影響によるもの。ミケルソンはあの大会に世界ランキング116位で臨み、優勝により順位が32位まで上昇した。50位以内となると、41歳のアダム・スコット(オーストラリア)が43位、42歳のセルヒオ・ガルシア(スペイン)が45位となっている。同世代の選手に比べれば健闘している方かもしれないが、やはり若い世代の勢いに押され気味だ。

2010年の全米オープンを制した42歳のグレーム・マクドウェル(英国)は、世界ランキング347位に低迷する。浮上をあきらめてはいないが、「年々、厳しくなっている。若い選手らには飛距離でかなわないし、あんなアグレッシブなゴルフはできない」と、その差を実感しているようだ。ただ、まだ幸運なことに、彼には出場する大会を選ぶ権利があるため、「コースとの相性を考えている。もしも、そこでベストなプレーができたら勝負になる――そんなところを選んで出場している」と続けた。

おそらく、あきらめるということはミケルソンのDNAにはない。しかし、他のスポーツであれば、"引退"という言葉がよぎってもおかしくない。

シニアツアーに専念するのか、ノーマンの新ツアーに参加し、サウジアラビアのマネーを取るのか。今後、ミケルソンが下す判断が注目される。

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