丁寧なグラウンド整備 DeNAの本拠地17連勝支える
横浜DeNAベイスターズ広報 小泉匡

横浜DeNAベイスターズは6月28日の阪神タイガース戦から8月21日の広島東洋カープ戦にかけて、本拠地・横浜スタジアムで17連勝を達成しました。この記録はベイスターズとしての球団記録であり、12球団の現在の本拠地での最多連勝記録でもあります。
ファンの皆さまも大いに盛り上がった連勝記録の舞台となった横浜スタジアムを運営するのは、株式会社横浜スタジアムという会社です。2016年1月に球団のグループ会社になったことで、球団と球場の一体経営が実現。設備投資や事業運営の判断を迅速に行えるようになり、球団経営の安定にもつながりました。
今回のコラムでは、株式会社横浜スタジアム業務管理部ボールパークマネジメントグループの桝谷優汰に日々の仕事内容ややりがいについて聞きました。
桝谷「私が担当している業務は、横浜スタジアム全体の施設管理です。試合がない日はグラウンドの人工芝や土の管理に加え、スタンド席・コンコース・トイレなど来場されるお客様が快適に過ごせるような環境整備についても気を配っています。プロ野球や他のイベント開催時はグラウンド担当に加え、警備室で興行が安全に運営されているか管理・監督しています」
幅広い業務があるなか、特に気を遣うのが選手のプレーにも直接影響するグラウンドの管理です。
桝谷「日々の試合によってグラウンドの人工芝も荒れてくるので、小まめに手入れしています。人工芝の整備ポイントは多岐にわたるのですが、イレギュラーバウンドの原因にならないように充填しているゴムチップや珪砂(けいさ)のムラをなくしたり、決められた厚みになっているかを調べたりするなど、常にベストな状態を保つことを心掛けています」
いざ試合が始まれば現場の司令塔となり、グラウンド内やスタンド内を含む全てのエリアにおいてトラブルのない安全な球場運営のために絶えず目を光らせます。

桝谷「ボールパークマネジメントグループは主にグラウンドや施設の管理、そして警備も担当します。グラウンド担当ではない日の試合中は警備室に常駐し、グラウンドやお客様のいるスタンド、コンコースでトラブルや問題がないか無線や監視カメラを使って状況判断をし、現場のスタッフに指示を出しています。私の判断で現場のスタッフを動かしてお客様の安全を守らないといけないので責任重大です」
プレー面でもそれ以外でも横浜スタジアムの「安全」を日々守っている桝谷に、今回の17連勝をどう感じたのか聞いてみました。
桝谷「常に全力でグラウンドを管理しており、連勝中だからといって何かを変えたようなことはありません。自分たちが管理しているスタジアムで球団記録が生まれることには少し興奮しましたが、来場しているお客さまが興奮して喜んでもらえたのであれば、それが一番うれしいですね」
ファンの皆さまが目にするのはシーズン中の横浜スタジアムが多いかと思いますが、実は桝谷にとっての繁忙期はオフシーズンの期間だと言います。
桝谷「大規模な修繕はオフシーズンしかできません。シーズン中から球場全体をチェックし、計画作りや準備を進め、12月から2月までの3カ月で優先順位をつけながら球場をより良い場所にしていきます。グラウンド内で言えば、人工芝の硬さや平たん性を保つ整備、土材の入れ替えや硬さの調整など多岐に渡る作業を行います」
「今年はマウンドや各塁の土を新たな材質の物に入れ替えました。練習初日にはグラウンドに出向いて選手たちに感想や要望をヒアリングしましたし、登板が終わった投手にも話を聞きました。チームと球場でコミュニケーションを取りながら日々整備にあたっています。また、横浜スタジアムはプロ野球だけではなく、高校野球やアメリカンフットボール、音楽ライブなども開催される場所です。来場する全てのお客さまに安心して楽しんでいただけるように努力することが、この仕事の最大のやりがいですね」
ベイスターズは日々新たな取り組みを打ち出していますが、スタジアムの維持・管理という仕事においては「変わらない」ことも求められます。桝谷はまだ入社5年目ですが、責任感にあふれています。
桝谷「会社には私を含めて若い社員が増えてきていますが、この仕事は経験値が必要です。若い世代が自分たちで物事を進められるように成長していかなくてはいけません。先輩たちが積み上げてきた良い部分を継承し、新しい部分も模索していく。より魅力的なスタジアムを作り上げていきたいです」

横浜DeNAベイスターズの広報がプロ野球の裏方として日々奮闘する人たちにスポットライトを当てるコラム「プレーボールの舞台裏」です。