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照ノ富士、実力通りの戴冠 雌伏の時へて精神的成長

貴景勝㊨を攻める照ノ富士

「優勝するべくして優勝した」という八角理事長(元横綱北勝海)の言葉が全てだろう。3大関を撃破し、結果も相撲内容も文句なし。精神的な安定感も備わった照ノ富士が序二段から大関へのカムバックという偉業に3度目の賜杯で花を添えた。

立ち合いで貴景勝の右腕をたぐろうとして不発に終わり、一気に土俵際まで押し込まれたが慌てない。左のおっつけで相手の勢いを封じると我慢しきれなくなった相手のたぐりに乗じて前へ。あとは力の限り土俵外へ押し切った。

勝った瞬間こそ表情は崩さなかったが、優勝インタビューでは言葉を詰まらせる場面も。膝の負傷や内臓疾患に苦しんだ日々を思い、「必死に前向きで頑張ってきた結果が表れる日が来ると信じてやってきた」と短く言葉を紡いだ。

間近で照ノ富士を見守ってきた部屋付きの安治川親方(元関脇安美錦)は「前は負けが込むと集中力が切れる感じだった。今は勝とうが負けようがその日を目いっぱい(戦う)という感じで気持ちのブレが少なくなった。一日一日を大事にしてきた」と語る。先が見えない戦いの中、そうしなければ心が折れてしまう面もあったはずだ。

「できることを精いっぱいやっているだけ」と口癖のように言い続け、幕内復帰からわずか5場所で元の地位へ。ケガの功名というには重すぎる苦境を乗り越えたからこそ得られた強さだろう。

鶴竜が引退し、長らく頂点に君臨した白鵬もいよいよ現役晩年。時代の転換点を迎える角界のトップランナーに再び立つ29歳は「これからは次の世代の自分らが頑張らないといけない」と決意を固める。

来場所から4大関による最高位昇進への戦いが始まる。「一日一日精いっぱい頑張れば次につながるかなと思います」。復活からさらなる飛躍への挑戦を目の前にしても、力みはない。

(田原悠太郎)

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