/

フィギュア日本勢に最高評価を 北京五輪枠「3」確保 

プロスケーター・振付師 鈴木明子

メダルを手にする男子で2位の鍵山優真(左)と3位の羽生結弦(右)。中央は優勝したネーサン・チェン=ストックホルム=ISU提供・ゲッティ共同

今回の世界フィギュアの最大の評価は順位より、2022年北京五輪出場枠を最大の「3」を男女ともに獲得できたこと。18年平昌大会は女子が2枠で代表争いがし烈だったから、本当に素晴らしい。そして男子は上位4人中3人が日本勢というのも驚嘆した。

羽生結弦(ANA)のフリーはジャンプの着氷が前に詰まっていた印象だ。彼の最大の武器は「質の高いジャンプと、着氷の流れからのつなぎ」だ。ジャンプの加点はもちろん、高い演技構成点にもつながるが、今回のフリーは前半のジャンプはいつもの鋭さがなく、ちょっとずつ全ての歯車が狂ったようにみえた。

鍵山優真(神奈川・星槎国際高横浜)は、大会初出場ならではのノビノビした演技で鮮烈なデビューを飾った。とはいえ大会前、まさか日本人最上位になるとは思わなかった。ジャンプの質が高く、降りた後に流れがあり、見てて気持ちいい。来季は期待もかかるし、自分も自分に期待するようになる中、どう成長していくか楽しみだ。宇野昌磨(トヨタ自動車)は試合を楽しむ前向きさが伝わってきた。ステファン・ランビエルコーチについて1年余り、信頼関係を築けたようで、スケートを楽しみ、いい方向に向かっていると思う。

男子フリーの得点を確認し、父の正和コーチ(右)と喜ぶ鍵山優真=タス共同

優勝したネーサン・チェン(米国)は圧巻のフリーだった。ショートプログラム(SP)は硬さが見えたが、フリーはすべての技に加点がつき、演技時間がとても短く感じた。世界選手権を3連覇し、いよいよ北京五輪。平昌五輪は5位だったチェンはどのようなメンタルで挑んでいくのか。

女子は表彰台を独占したロシア勢が強かった。ジャンプ構成を落としても、ほかの選手以上のものを組み込み、質の高いものを跳べるので大きく崩れない。6年前の世界女王のトゥクタミシェワが2位に入ったのは、世代交代が激しいロシアの中で頑張り続けた結果だと思う。紀平梨花(トヨタ自動車)は感覚のズレが修正しきれなかったようにみえた。冒頭の4回転を回避し、代わりに跳んだ2回転半ジャンプにキレがなく、迷いが見えた。それを最後まで引きずったように感じた。

新型コロナウイルス禍の今季、自国以外に練習拠点を置く選手は、練習環境を保つことに手を焼いた人も多かろう。不安なく練習できる環境の有無は選手にとって大きい。日本代表は海外拠点の選手も多く、どれだけ大変だったか。まだ先の見えない状況は続くが、選手たちが悔いなく練習できるバランスを見つけることを願っている。

すずき・あきこ 愛知県豊橋市出身。6歳からスケートを始める。2010年バンクーバー五輪で8位に入賞。11年グランプリファイナル銀メダル、12年世界選手権銅メダル、現役最後の13年全日本選手権で初優勝を果たし、ソチ五輪への切符を手にする。ソチでは2大会連続となる8位入賞。

春割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で申し込むログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で申し込むログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で申し込むログイン