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ハンド日本、白星で締めくくる 東京五輪へ大きな収穫

バーレーン戦でチーム最多の9得点を挙げた吉野樹(写真提供:Yukihito Taguchi / JHA)

ハンドボール男子の世界選手権は25日、カイロで2次リーグ最終戦が行われ、2組の日本はバーレーンに29-25で勝利した。1次リーグを含めた全6試合で2勝1分け3敗、出場32チーム中19位で大会を終えた。24年ぶりの1次リーグ突破を果たし、33年ぶりに出場する東京五輪に期待を抱かせる戦いぶりだった。

国際舞台で日本代表がこれほど堂々とした姿を披露したのはいつ以来だろうか。1つしかないアジア代表枠を勝ち取り、東京五輪に出場するバーレーンを相手に前半9分以降は一度も追いつかれなかった。「監督に就任してから最高のプレーができた」とシグルドソン監督が喜んだように、今大会の健闘が決してフロックでないと証明する快勝だった。

バーレーン戦でセーブ率40%を記録した岩下祐太(左から2人目)らGK陣の奮闘が目立った(写真提供:Yukihito Taguchi / JHA)

今大会は日替わりでヒーローが出たが、この日はチーム最多の9得点を挙げた左バック吉野樹(トヨタ車体)とGK岩下祐太(トヨタ紡織九州)。ともに身長は180センチ台前半。ラグビーと並んでフィジカルコンタクトの激しい球技であるハンドボールの選手としては小柄ではあるが、吉野はそのスピードと迷いのないダイナミックな腕振りで前半から得点を量産。「相手の癖をしっかりインプットして臨んだ」という岩下も、鋭い読みでシュートセーブ率は40%を記録した。

「7戦全敗」の経験を糧に、チームが成長

大会を通じて攻撃での果敢なアタックが目立った吉野は、7戦全敗に終わった2年前の世界選手権の経験が糧になったという。「シュートが打てる場面で逃げて、土井選手に『お前はまだ日本を背負っていない』と言われた。今回は打てる場面は絶対打つ、絶対逃げないと、強い気持ちでできた」と振り返る。

吉野に限らず、2年前の苦い味を知る選手たちが、強い気持ちで強豪に立ち向かったことが健闘の最大の理由だろう。前回の世界選手権後に主将に就任し、先頭に立ち続けてきた土井レミイ杏利(大崎電気)は「試合に出ている選手だけでなく、スタッフや試合に出られなかった選手も含めて、全員でまとまって戦えた」と喜ぶ。ダグル・シグルドソン監督の下、地道に重ねてきた体づくりやメンタルトレーニング、国際試合といった取り組みが、ようやく形になって表れた。土井が「やってきたことが出せた。しかもそれが通用したことで、自信を身につけることができた」と言えば、シグルドソン監督も「パフォーマンスの波がなくなったことは本当にうれしい」と成長を認めた。

もちろん、わずか12チームしか出場できない五輪は厳しい戦いになる。残り半年と時間は少ないが、控え選手を含めた層の底上げが課題だ。今大会でも長いプレー時間を与えられた19歳のポスト吉田守一や22歳の右バック徳田廉之介(ともにタルヌフ)、3人全員が世界選手権初出場だったGKがもう一段成長すれば、戦力は大幅にアップする。「もう(日本は)簡単に勝てる相手ではないというのを世界に示せたのではないか」と土井が言うように、ホスト国として、ただ出るだけの五輪ではなくなったのは確かだ。(山口大介)

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